監査法人アヴァンティア、三恵ビジネスコンサルティングを完全子会社化しデジタル化を加速
監査法人アヴァンティア(以下、アヴァンティア)は、2025年5月16日付で三恵ビジネスコンサルティング株式会社(以下、三恵社)の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。本決定は、近年のデジタル・トランスフォーメーション(DX)が進む中で、企業が扱う情報の多くがデータベースに集約される状況に対応するためのものです。
データ分析の必要性がますます高まる現在、アヴァンティアは中小監査法人の人手不足解消を図りつつ、テクノロジー、特にAIを監査プロセスに取り入れることの重要性を認識しています。三恵社はデータ分析ツール「THUMGY Data® for Analytics」を中心に事業を展開しており、その技術力は業界内で評価されています。アヴァンティアは、三恵社を傘下に持つことで、監査業務のデジタルイノベーションを更に加速度的に推進する狙いです。
三恵社の専門性
三恵社は、データ分析に関する高度な専門知識と先端技術の導入に取り組んでおり、特にTHUMGY Dataは短期間での開発実績があります。最近では生成AIを活用し、データ分析の普及にもつながるプロジェクトが進行中です。このような背景から、アヴァンティアは彼らの知見を活用し、監査業務におけるデータ分析の活用を強化していく方針です。
監査の革新とAI技術
今後、アヴァンティアは監査の過程にデータ分析を積極的に組み込むだけでなく、データ分析を含む監査調書の自動作成を行うAIエージェントの開発を進めています。デジタルイノベーション推進室の田中龍之介室長は、デジタルテクノロジーの活用が効果的かつ効率的な監査を実現することを目指していると述べています。
田中氏は「私たちの監査実務は、従来の紙ベースのアプローチから、データ分析を主体とした新たなアプローチへと変革を遂げる必要があります。三恵社を迎えることで、監査業務の新たな価値を生み出せることを確信しています」と語りました。この発言からも、アヴァンティアの意気込みが感じられるでしょう。
監査法人アヴァンティアの成り立ち
アヴァンティアは2008年に設立されて以来、日本の成長企業を支えることに注力し、現在では40社以上の上場企業から信任を得る中堅監査法人へと発展してきました。業界課題への取り組みとして、電子監査調書システムを自社開発し、他法人へのライセンス供与も行っています。これにより監査業界全体のデジタル化を進め、社会全体への貢献を目指す姿勢を貫いています。
また、中期経営ビジョン「Avantia2030」では、監査の品質の向上に加え、付加価値としてのコンサルティングサービスの提供にも注力します。これからもアヴァンティアは、自らの成長だけでなく、日本の企業や産業に対する責任を考慮しながら事業を展開していく所存です。
まとめ
アヴァンティアは三恵社を完全子会社化することで、デジタルイノベーションを一層加速し、業界全体への影響を与える監査手法の開発に向けて邁進します。これにより、監査業務の品質向上と効率化を図り、企業と社会の発展に寄与する存在であり続けることが期待されています。