KAAT神奈川芸術劇場プロデュースの音楽劇『未練の幽霊と怪物』
2026年2月13日(金)から3月1日(日)まで、神奈川のKAAT神奈川芸術劇場にて、期待の新作音楽劇『未練の幽霊と怪物―「珊瑚」「円山町」―』が上演されます。国際的に評価されている演劇作家岡田利規による本作は、能の形式を活用し、目に見えない存在や幻影が語る「夢幻能」を取り入れた音楽劇として、深いテーマを掘り下げています。
本作品のテーマと形式
本作は、「未練を持った幽霊」が主役となるユニークな構造を持っています。この「シテ」として登場する幽霊たちは、遂げられなかった願いをもって世を去った存在であり、その多くは社会的・政治的な問題から生じたもの。特に、一作目では埋立てが進む辺野古の珊瑚をテーマにし、二作目では社会の渦に翻弄される女性の物語を描きます。
岡田氏は以前の公演『未練の幽霊と怪物―「挫波」「敦賀」―』に引き続き、今回も深い問いを提起。そのリアルな社会背景と心の葛藤を観客と共に分かち合うことが、彼の作品の魅力です。
豪華キャストと音楽
この新作には、東京2020オリンピック閉会式でのパフォーマンスで注目を浴びたアオイヤマダ氏、ダンスパフォーマンスグループs**t kingzの小栗基裕氏など、実力派のキャストが集結。さらに、能や音楽の響きを豊かに取り入れた演出が期待されます。
音楽監督には内橋和久氏が再び参加し、謡手としては奄美出身の里アンナ氏が新たに加わります。岡田氏が描く細やかな「謡」を内橋氏の音楽が彩ります。
公演情報とチケット購入
本作の公演は、KAATの大スタジオで行われ、チケットは2023年11月30日より一般発売となります。神奈川県民向けの割引やU24チケット、高校生以下やシルバー服の割引も用意されており、さまざまな層の観客が楽しめるよう工夫されています。
公演日程は2026年2月13日を皮切りに、毎日異なる時間に上演が行われ、託児サービスやアフタートークのイベントも予定されています。
結び
『未練の幽霊と怪物』は、岡田利規が提示する深遠なメッセージを届ける作品であり、観客に新たな視点を提供することでしょう。この機会にぜひ、KAAT神奈川芸術劇場での公演を体感しに行ってはいかがでしょうか。言葉と身体、音楽が織りなす幻想的な領域を皆様にお届けできることを心より楽しみにしています。