新連載『森羅記』の誕生
作家・北方謙三による新たな歴史小説「森羅記」が、2024年9月17日(火)に発売される『小説すばる』10月号でスタートします。この連載は彼の集大成ともいえる作品で、13世紀の「元寇」を背景に、モンゴル帝国のクビライと日本の北条時宗を中心に描かれます。北方氏はこれまで『三国志』や『大水滸伝』、そして『チンギス紀』など、中国を舞台に多くの作品を発表してきましたが、日本を舞台にした新しい物語には特別な期待が寄せられています。
「森羅記」のあらすじ
物語の始まりは、モンゴル帝国第2代皇帝ウゲディの死後、皇帝が不在の混迷を呈している時代です。クビライは祖父チンギス・カンの足跡を辿る旅の途中、テムゲ家の弔問に向かいます。そこで彼が目にしたのは、テムゲ家の船隊と、それを越える広大な海でした。この出発点から、さまざまな人々の生き様と人間ドラマが描かれていきます。
一方で、故郷である五島列島を離れた青年タケルは、テムゲ家の船頭として若きクビライを船上で案内します。彼は大陸の情勢を松浦党に伝えていましたが、ある日、故郷に呼び戻され、一つの重要な使命を受けます。それは、鎌倉からの使者にモンゴル帝国の事情を話すこと。多様な人物が絡み合いながら進行する物語は、信念と疑念が交差する壮大なものになっています。
豪華な執筆陣も注目
この『小説すばる』10月号には、北方氏の新連載に限らず、小池真理子、黒川博行、篠田節子など、著名な作家による作品も数多く掲載されます。加えて、新人作家の登竜門でもある「小説すばる新人賞」の選考通過作品も発表され、読み応えのある一冊に仕上がっています。
メディア露出も充実
また、北方謙三氏がMBS制作の「情熱大陸」にも出演することが決まりました。この放送では、新連載「森羅記」に込めた思いや執筆の裏側が紹介される予定です。この番組は、2024年9月22日(日)23時からTBS系列で放送予定ですので、ファンは見逃せません。新たな歴史巨編に込められた熱意を、ぜひリアルな映像で目にしてください。
最後に
北方謙三氏の新連載「森羅記」は、今日の日本に直結するさまざまなストーリーを展開し、歴史と文化を新たな角度から照らし出します。この連載を通じて、読者がどのような体験を得るのか、一層の注目が集まることでしょう。一つの歴史巨編が始まった今、時代を超えて共鳴する物語に出会う準備は整ったと言えます。