国立科学博物館 筑波実験植物園で「育てる宝石・コノフィツム」の特別公開
国立科学博物館の筑波実験植物園が、2025年9月20日(土)から9月28日(日)にかけて「育てる宝石・コノフィツム」と題した特別展示を開催します。本イベントにおいては、南アフリカの半砂漠地帯に生息する植物、コノフィツムの魅力を多角的に紹介する場が設けられています。
コノフィツムとは?
コノフィツムは、乾燥地で進化を遂げた植物で、その透明感のある姿が「生ける宝石」と称されています。日本では約90年前から園芸植物として多くのファンに親しまれてきました。しかし、最近の商業採集の急増により、絶滅の危機が高まっているため、2023年にはワシントン条約(CITES)にも登録され、保護活動が急務となっています。
研究の第一人者による貴重なコレクション
特別公開では、コノフィツム研究の第一人者、須藤浩氏の約50年にわたる収集成果をもとにした約120点を展示します。日本植物園協会によってナショナルコレクションに認定された野生種約80種を中心に、多様な品種が一堂に会する機会は極めて貴重です。また、この展示は内容・規模ともに世界的にも評価されるもので、展示に触れることで植物の進化や生態の面白さを直に体感できます。
特別講演会の開催
展示イベントと同時に、セミナー「生ける宝石から育てる宝石へ」も行います。このセミナーでは、コノフィツムの多様な観賞ポイントや最新の研究開発の状況、栽培に関するコツを紹介する予定です。講演は9月20日(土)と28日(日)に行われ、いずれも須藤浩氏が講師を務めます。事前予約が必要で、定員は30名ですので、興味のある方は早めの申し込みをお勧めします。
展示内容
展示は主に教育棟とサバンナ温室に分かれて行われ、新たな試みとしてコノフィツムの野生の姿を再現したジオラマ「コノフィツム・サファリ」も展示されます。このような形式で複数の視点からコノフィツムを理解することができるのも、今回の特別公開の大きな魅力の一つです。
植物の多様性を楽しむ
コノフィツムの魅力はその形状の多様性にもあります。例えば、コノフィツム・ブルゲリは球体の上半分が透明で光合成を行う「窓」を持っており、その独特の美しさが観賞者を惹きつけます。一方、コノフィツム・ラツムは球体の頂部が二つに分かれており、多彩な花色を楽しむことができます。それぞれのコノフィツムが持つ特性や生息環境は、地球上における植物の進化の不思議を物語ってくれます。
最後に
コノフィツムの特別公開が開催される筑波実験植物園は、植物研究の観点からも重要な役割を果たしています。ぜひ、多彩なコノフィツムの世界に触れ、植物の魅力を再発見することができるこの特別な機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。まさに、育てる宝石の魅力が詰まった、一堂に会する貴重な展示です。