2023年、株式会社GREENINGの一部株式を取得したことが発表されたのは、東京都千代田区に本社を置く株式会社fav hospitality group(FHG)だ。この会社は、渋谷区に本社を構えるGREENINGの発行済株式の約12.81%を取得し、今後の協業を図ることになった。FHGの代表取締役、緒方秀和氏によれば、両社は「Culture Scaping」を一つのビジョンとして、日本独自の文化的な景観を創造するプロジェクトに取り組む予定だ。特に注目すべきは、2025年7月9日に開業予定の「BASE LAYER HOTEL NAGOYA NISHIKI」で、これが共同で作り上げる新たなホテルブランドの起点となる。
この新しいホテルブランドは、単なる宿泊施設ではなく、商業施設や飲食店も含めた幅広い空間デザインに基づく総合的な体験を提供することを目的としている。FHGは、資金調達や開発の経験を持ち、GREENINGはその創造力とプロデュース力を活かすことで、次世代のホテルビジネスを形作る計画だ。現代の宿泊体験に求められるものは、新しさだけでなく、顧客にとっての価値が増していることから、両社はデザイン、企画、運営を統合したサービスを目指す。
具体的には、ホテル業界でのブランド価値を拡張することを目指している。国内外のマーケットを見据え、デザインと機能性を兼ね備えた宿泊体験を提供することで、より多くの顧客に愛されるブランドに育て上げる考えなのだ。さらに、既にいくつかのプロジェクトも進行しており、今後の展開が期待される。
株式の取得は2025年6月30日を予定しており、これを契機に両社の連携が強化されることが見込まれる。新たなホテルブランドの誕生を通じて、両社は地域の魅力を発信し、観光や宿泊業界に新風を巻き起こすプロジェクトを推進していくだろう。さらに、まちづくりの視点からも、地域に根ざしたサービスや体験の提供が求められる中で、両社のコラボレーションがどのような成果をもたらすかは注目のポイントとなりそうだ。
株式会社GREENINGは2020年に設立された比較的新しい企業でありながら、不動産企画や開発事業、街づくり事業に携わることで急速に成長してきた。資本金は5000万円としっかりした体力を持っており、現在のリーダーである川又祐介氏のもと、国際的なビジョンを持ったプロジェクトに着手していることが確認できる。
このように、FHGとGREENINGのコラボレーションは、日本の文化を再評価しつつ、観光業のさらなる発展を促すものとして大きな期待が寄せられている。次世代ホテル市場における革新とは何か、その姿が見えてくるのは、2024年から始まる取り組みの成果が示される時期である。どんな宿泊体験が待っているのか、今から楽しみである。