全ての人がオシャレを楽しめる世界へ
「いのち会議」は、2025年10月11日に開催される大阪・関西万博で、「いのち宣言」と「アクションプラン集」を発表しました。その目的は、誰一人として取り残されることのない、包摂的な社会づくりです。本記事では、「障がいの有無、性別、年齢、国籍といった垣根を超えたオシャレを楽しむ世界作り」への取り組みについてご紹介します。
様々な垣根を越えたファッションを
ファッションは、自己表現の一環であり、誰もが楽しむべきものです。しかし、障がいを持つ方々にとって、これまでのファッションには多くの障壁が存在しました。一般社団法人日本福祉医療ファッション協会では、このような障壁を打破し、すべての人が使いやすく、オシャレを楽しめる服のデザインに取り組んできました。
例えば、身体に麻痺がある方々のために設計された巻きスカート型のボトムスや、ジッパーで開閉できるジャケット、車椅子ユーザー向けのブーツなど、機能性だけでなくファッション性を兼ね備えたアイテムの開発を行っています。その成果として、2022年には、車椅子ユーザー専用のファッションショーがパリ・ファッションウィークで開催され、多くの参加者が注目を集めました。
社会の意識を変える新たな発想
同協会は、活動を通じて寄せられる相談を基に、さまざまな視点からのプロジェクトを展開しています。特に、排泄にまつわる課題についての関心が高まっており、「ミライのO-MU-TSUプロジェクト」を立ち上げるに至りました。たとえば、介護施設でのおむつ使用に対する偏見や、排泄の悩みを抱える人々の声が多く寄せられています。
普段の下着には多様なデザインがあり、選ぶ楽しさがありますが、現行の市場で手に入るおむつは、機能性に優れている一方で、デザインが限定的であり、心の自由を損なっています。そこで、同協会は、デザイン性に富んだおむつを提案し、多様性を持った選択肢を作ることを目指しています。
おむつを主役にしたファッションショー
2025年には、EXPOホールでおむつをテーマにしたファッションショー、「未来のおむつコレクション」が開催される予定です。この取り組みにより、おむつに対する社会的理解を促進し、より多くの人々の意見に耳を傾けることが狙いです。エクスポの後も、その活動は続き、社会の意識を変えるためのキャンペーンが展開されていくことでしょう。
いのち会議のビジョンは、障がいを持つ方々や排泄に悩む方々にもオシャレを楽しむ権利があることを強く発信していくことです。彼らと共に、より良い未来を描くために、今後も積極的に活動を展開していく予定です。すべての人が快適に生活し、自由に表現できる社会の実現を目指して、私たちもこの動きに注目していきたいものです。