大学生が考えるリモート勤務の重要性
2027年卒業予定の大学生や大学院生を対象に行った株式会社学情の調査によると、約80%の学生がリモート勤務制度を持つ企業に対して好意的な意見を持っていることが明らかになりました。調査の結果、リモートもしくはフルリモートの勤務スタイルに対する期待感が高まる中、彼らがどのように考えているのかを見ていきましょう。
リモート勤務制度がもたらすメリット
調査では、「リモート勤務制度がある企業は志望度が上がる」と回答した学生が33.2%に達し、「どちらかと言えば」の意見を合わせると77.5%にのぼりました。学生からは「柔軟な働き方ができるため、仕事とプライベートのバランスが取りやすくなる」という声が寄せられています。また、通勤時間が短縮することで、有効に使える時間が増えることや、社員の生活を考える企業への信頼感が強まるとの意見も多く見られました。これは、特に近年のコロナ禍を経て、働き方に対する考え方がシフトしていることを物語っています。
フルリモートや居住地自由への期待
次に、フルリモートや居住地自由の勤務形態についても調査を行いました。こちらでも「志望度が上がる」という回答が33.2%を占め、「どちらかと言えば」を合わせると72.6%に達します。学生たちは、自分のライフスタイルや体調に応じた働き方が可能であることに魅力を感じる一方で、完全なリモート勤務には職場でのコミュニケーションや相談しやすさの確保が求められています。そのため、「普通に出社して働きたい」と感じる学生もおり、完全リモートのメリットとデメリットが共存しているのが現状です。
リモート勤務の優先度
さて、就職活動においてリモート勤務制度の重要性はどのように捉えられているのでしょうか。調査の結果、「最優先ではないが重視する」という意見が42.9%に上りました。働きやすさの向上は評価されるものの、仕事の内容やチームとの連携がより重要との考えが広がっています。具体的には、「出社が基本でリモートがあったら嬉しい」といった声もあり、柔軟さを求める一方で、対面でのコミュニケーションを重視する傾向が浮かび上がっています。
調査の背景と目的
このようなリモート勤務への期待が高まる背景には、コロナによる働き方の急速な変化があります。リモート会議やオンライン商談が普及し、それまでの働き方が見直される中で、「リアル」の価値が再評価される傾向も見られます。そのため、2027年卒業予定の学生がどのようにリモート勤務を受け止めているかは、今後の就職活動や企業の人事戦略にも大きな影響を与えることでしょう。
調査概要
この調査は2025年6月30日から7月13日まで行われ、有効回答数は289件にのぼりました。株式会社学情が運営する「Re就活キャンパス」というスカウト型就職サイトの訪問者を対象にしたアンケートとなっています。今回の調査結果は、リモート勤務への期待が高まる中で、学生の視点を知るうえで非常に有効なデータとなりました。
企業の取り組みと今後の展望
企業側としても、若手人材のニーズを踏まえた選考基準や働き方を見直すことが求められています。リモート勤務制度を導入することは、志望度の向上を図る上での一つのアプローチですが、同時に、働きやすさやコミュニケーションの円滑さを確保することも求められています。これらを両立させることで、企業はより多くの優秀な人材を獲得し、育成することができるでしょう。