物価上昇に苦しむこども食堂
こども食堂の運営者たちが直面している課題が、近年の物価上昇によってさらに深刻化しています。「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」が実施した第9回「こども食堂の現状&困りごとアンケート2024」の結果が明らかにしたところによると、参加したこども食堂の約88.5%が物価上昇の影響を感じていると回答しています。
この調査は2024年7月から8月にかけて行われ、1,307件の回答が集まりました。その結果、83.5%のこども食堂が「みんなで会場に集まって食事をする会食形式」を採用しており、これは昨年の調査よりも増加しています。共に食べることは、多くの参加者にとって大切な体験とされています。
一方で、運営上の困難も明らかとなりました。「運営資金の不足」と「食材の不足」が多くの食堂における主要な課題として挙げられています。特に食材の寄付について、何が最も必要かと尋ねたところ、回答者の80.1%が「米」を求めていることがわかりました。米不足が影響している現状を反映した結果といえるでしょう。
運営困難と寄付の重要性
物価上昇や米不足の影響で、多くのこども食堂が日々の運営に苦慮し、困窮家庭にどのように支援を届けるかを考えています。今回のアンケートによると、「運営資金の不足」を感じているとの回答が54.1%に達し、また、スタッフの確保が難しいという声も多く上がり、52.5%が「運営スタッフの不足・後継者不足」を問題視しています。
さらに、必要な人に支援を届けるための周知や広報の不足も重要な問題です。これに対し、どのような支援を行うべきかについて、むすびえは情報を収集し、直ちに対策を講じる必要があるとしています。また、IT技術の活用を進めることで、他の支援機関と連携しやすくなることが期待されています。
今後の取り組み
むすびえはアンケート結果を受けて、寄付の促進や資金調達の支援を強化する方針です。具体的には、米の調達を支援するプロジェクトとして、政府備蓄米の無償交付の受付を通年で可能とし、また全国のこども食堂を対象に米の緊急支援を行う計画を進めています。
それに加え、12月には新たな取り組みも発表予定であり、今後もさまざまな支援策を検討しているとのことです。また、ITツールの活用についても、効果的な情報発信や寄付の仕組みを確立するための講座が定期的に開催される予定です。
このように、こども食堂は地域コミュニティの中での重要な役割を果たしており、今後もその活動が続くことが期待されます。地域からの支援や寄付を通じて、一人でも多くの子どもたちに温かい食事が届けられるように、私たちも協力していく必要があります。