STEM人材がAIを脅威からツールと認識するまでの変遷
STEM人材がAIを脅威からツールへ
最近の調査によれば、世界多くのSTEM人材の間でAIに対する認識が大きく変わりつつあることが示されています。特に、STEM(科学、テクノロジー、エンジニアリング、数学)分野での人材は、AIがもたらす利点に注目し、積極的に利用する姿勢を見せています。この変化は特に昨年から今年にかけて顕著であり、AIを脅威視していた人材が、今ではその活用による生産性向上を図るようになっています。
SThreeが行った調査によると、60%のSTEM人材は、最新のAIツールを導入している職場の方が魅力的だと考えており、これは昨年の34%からの大幅な伸びを示しています。一方で、日本のSTEM人材がAIを受け入れる速度は他国と比較して遅れていることが明らかになりました。特に、オランダや英国のような先進国では、67%や62%がAIを利用した職場に魅力を感じているのに対して、日本は53%にとどまっているのが現状です。
世界のAI受容状況
SThreeが対象としている5カ国(米国、英国、日本、ドイツ、オランダ)の調査結果からは、AIに対する意識の変化が国によって異なることがわかります。ティモ・レーネCEOのコメントによれば、多くの国でSTEM人材はAIを脅威ではなく利点として捉えるようになってきたとのこと。「雇用主がこの変化に応じることで、エンジニアリングやライフサイエンスの専門職でもAI活用と雇用創出を両立できる」という見方が強まっています。
従業員と経営層の認識のズレ
さらに興味深い点は、従業員と経営層との間でAIに対する見解に違いがあることです。調査に参加したSTEM人材の回答者の半数以上が、自分たちは経営層よりもAIの活用に対して前向きだと考えています。特にドイツでは54%、米国では52%の人がそのように感じているのに対し、日本では45%にとどまっており、ここでも他国と比較して遅れを見せています。
日本のSTEM人材が特にライフサイエンス分野では54%が経営層に対してAIツールの積極的な利用を感じている一方で、エンジニアリングやITではそれぞれ44%、38%とやや低くなっています。これは分野による違いもあることを示しています。
文化や働き方の影響
すべての国でAIに対する意識が進化しているものの、文化や働き方の差がAIに対する理解や受容のペースに影響を与えているようです。特に、日本では伝統的な価値観が残る中で、新しい技術の導入が相対的に慎重であることが条件として考えられます。これは、国際競争力や労働市場においても大きな影響を与えかねません。
様々な調査に基づくデータをもとに、STEM分野でのAI活用が進む中で、日本も他国に遅れないよう努力していく必要があります。AIとの共存を目指すためには、従業員と経営者の意識のギャップを埋め、互いに協力し合う姿勢が求められます。
会社情報
- 会社名
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SThree株式会社
- 住所
- 東京都中央区銀座4-12-15歌舞伎座タワー9階
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