60代以上の1/5が選ぶ新しい埋葬スタイル「自然葬」

近年、埋葬に関する価値観が変化してきました。at FOREST株式会社が実施した調査によると、60代以上の男女1045人のうち約5人に1人が自然葬、つまり遺骨が自然の中に還る埋葬方法に意向を示しました。これは、従来の家墓を希望する方々の次に多い結果となり、文化や価値観が変わり続ける時代を反映しています。

自然葬に注目が集まる理由

調査結果によれば、66%の回答者は「墓石を重視しない」と述べており、墓の形態そのものに対する意識が変わっています。核家族化や少子化の影響による家族観の変化も一因として挙げられており、多くの人々が「迷惑をかけない死」を望むようになっています。

自然葬の具体的な定義として、at FORESTでは以下の4つを掲げています。

1. 遺骨が自然に還ること
2. 自然に還らないものを置かない
3. 土地を専有しない
4. 環境負荷が少ない

これにより、自然葬が従来の埋葬方法とは異なる新たな形として認識されています。

調査の詳細と結果

調査の目的は、埋葬や弔いに関する現代の価値観を明らかにすることでした。特に無縁墓や、残された遺族の負担についての関心が高まる中、自然葬はますます注目される存在となっています。

自然葬の需要

約30%が自然葬や庭園型樹木葬を望んでいることが分かりました。さらに40%が自然葬を選ぶ可能性を検討中とのことで、今後の選択肢としての可能性が広がることが期待されます。ユニークな埋葬方法への関心も高まる中、アンケートには「わからない」とも回答した方が多く、選択肢の多様性が求められています。

墓石に対する価値観の変更

66%の回答者が「墓石を重視しない」と回答していることは、特に年齢層が高いほど顕著です。樹木葬の選択肢も人気ですが、従来の墓碑が持つ意味や存在が変わってきていることが反映されています。

お墓参りの文化

墓参りの頻度については、約半数が年に数回実施していることがわかりました。弔いの精神は変わっていないものの、方法が変わりつつあることが特徴です。お盆や命日などの伝統的な行事を重視する姿勢は、まだ多くの遺族によって受け継がれています。

故人の意志を尊重する動き

故人の意向を重視する方が86%に達するのも、今の時代の特徴です。自分の考えとは異なっても、故人の希望を尊重する姿勢が見られるため、個々人の価値観が多様化した現代であることが伺えます。

未来の自然葬と環境への影響

at FORESTは今後、自然葬の流行やその環境への影響についても研究を進め、社会への情報発信を強化する方針です。「森に還る研究所」の設立も発表され、この分野での知識を深めるとともに、自然葬の重要性を広めていくことを目指しています。これにより、人々がより環境に配慮した埋葬方法を選択できるようにする取り組みも期待されます。

at FORESTの取り組み

at FORESTが監修する循環葬®︎「RETURN TO NATURE」は、墓標を残さず自然の中で埋葬する新しいスタイルを提案しています。売上の一部を森林保全に寄付することで、持続可能な森の再生にも貢献しています。社会問題として取り上げられる無縁墓の増加を食い止め、次世代に豊かな自然を残すために取り組んでいます。