SMFLみらいパートナーズが新たな浮体式洋上風力発電に挑戦

SMFLみらいパートナーズが浮体式洋上風力発電事業に本格参入

三井住友ファイナンス＆リース株式会社（SMFL）の戦略的子会社であるSMFLみらいパートナーズ株式会社が、浮体式洋上風力発電に新たに参入しました。このプロジェクトは、株式会社グローカルや中国電力株式会社など、複数の企業と提携し「ひびきフローティングウィンドパワー合同会社（HFWP）」を設立することで実現されました。福岡県北九州市の響灘沖にあるこの発電所は、国のプロジェクトとしても注目されています。

画期的な浮体式洋上風力発電所

新たに設置された浮体式洋上風力発電所は、出力が3,000kWの1基から成り立っています。これは国内で2基目の商用運転を開始した浮体式洋上風力発電所であり、特に鋼製バージ型浮体としては初めてのケースとなります。これにより、我が国の再生可能エネルギーの導入が促進されることが期待されています。

このプロジェクトは、2014年に始まり、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の「次世代浮体式洋上風力発電システム実証研究」に基づいて進められました。研究の目的は、日本特有の厳しい気象条件に耐えられる、低コストで頑丈な浮体式洋上風力発電システムの確立です。特に水深50mから100mの海域での運用が念頭に置かれています。

2019年より実証運転が行われ、設置された設備は徐々に評価と検証を受けてきました。特に、効率的な保守管理技術の開発が重要な抜け道となり、今後の運用に向けた知見が得られています。

発電所の運営と未来の展望

2024年の3月末には実証研究が終了し、その後は株式会社グローカルが設備一式を譲り受ける予定です。その上で、本発電所の管理と運営を目的としたHFWPが設立され、今回の商用運転が始まりました。この発電所で生成される電力は、「再生可能エネルギー固定価格買取制度（FIT）」を利用し、九州電力に売電される予定です。

SMFLグループは、太陽光や風力、バイオマス、水力といった多様な再生可能エネルギー発電事業を展開しています。さらに、オフサイトおよびオンサイト発電事業によってCO2を削減する電力を提供するほか、省エネルギー支援サービスも行っており、企業の脱炭素化を総合的にバックアップする姿勢を持っています。

今後に向けて、SMFLグループは再生可能エネルギーに関するリースや多様なファイナンスサービスを提供し、脱炭素社会実現に向けた取り組みを強化していくことを目指しているのです。この新たな浮体式洋上風力発電所の運営開始は、その第一歩として重要な意義を持つものです。

事業概要

- 発電所所在地: 福岡県北九州市響灘沖（一般海域）
- 発電種別: 洋上風力発電（浮体式）
- 出力/基数: 3,000kW × 1基
- 出資者: SMFLみらいパートナーズ株式会社、株式会社グローカル、株式会社合人社グループ、コトブキ技研工業株式会社、中国電力株式会社、リニューアブル・ジャパン株式会社
- 商用運転開始: 2025年4月22日