製造業のデジタル変革を推進するCADDiの導入による革新
製造業界が抱える課題を解決すべく、キャディ株式会社が提供する「製造業AIデータプラットフォームCADDi」が、東亜ディーケーケーでの導入に成功し、その結果、組織文化とモノづくりのプロセスに劇的な変化をもたらしています。
課題と導入の背景
東亜ディーケーケー株式会社は、水、大気、ガスの計測器を製造し、売上250億円を目指す成長戦略を掲げています。しかしながら、同社は部門間の連携不足という“見えない壁”に直面し、開発と生産が一体となり、迅速かつ高品質なモノづくり体制を構築することが急務とされました。これまでの業務は、一方向のコミュニケーションで進行し、過去の知見は個々人の経験や記憶に依存。情報がサイロ化し、類似部品の状況も把握できず、結果的に「車輪の再発明」が頻発する事態に陥っていました。
このような状況を打破するため、同社はCADDiの導入を決定し、組織文化の根本的な変革を試みました。これにより、部門を超えた連携を強化し、迅速な意思決定とモノづくりの効率化を図ったのです。
CADDiの導入効果
CADDiの導入は、東亜ディーケーケーに思いもよらない化学反応を導き出しました。開発と生産の一方通行だった関係性は、「部門を超えての協力が不可欠」という意識に変わり、CADDiに集約されたデータを共通の言語として活用することで、部門間のコミュニケーションが活発化しました。
その結果、現場からは自発的な動きが見られるようになりました。例えば、受け入れ検査課は、自らの業務の効率化を図りながらも、設計者の参考にもなるよう、検査情報を積極的にCADDiに登録し、情報の共有を促進しています。これにより、知的資産が新たな組織の力へと変貌を遂げているのです。
設計者たちは、担当していない機種のデータを容易に検索できるようになり、部品の共通化が現実のものとなる過程も進行中です。この非依存な仕組みが、若手社員の教育期間を短縮させ、貴重な知見を企業の資産として将来に残す技術継承の基盤となっています。
今後の展望
CADDiの導入によって最も重要な成果は、「付加価値創出に必要な時間が生まれた」という点です。東亜ディーケーケーは、この新たに得られた時間を次の市場に向けた新製品開発に活かす方針です。これまで急かされるように作業を進めていた状態から、今後はよりクリエイティブな仕事に挑む環境が整いつつあります。
この成功体験や蓄積されたノウハウは、他の工場にも展開される計画であり、会社全体の技術力の底上げを目指しています。東亜ディーケーケーの挑戦は日常業務から解放された社員が部門の壁を乗り越え、共に未来を築く姿勢を示しています。キャディも、継続的な進化を通じて、同社の変革を引き続き支援していく所存です。
取締役 工藤 肇 氏のコメント
「CADDi Drawerを導入したことで、部門間の連携が不可欠だという意識が社内に広まりました。過去の一方向的な関係から、互いに協力し合うことの重要性を認識できるようになりました。また、この仕組みがあれば、若手の教育期間を短縮し、経験が浅い社員でも迅速に戦力となれる意義があります。この技術的な基盤を通じて、職人の貴重な知見を企業の資産として将来に活かしていきたいと考えています。」
CADDiについて
CADDiは製造業のエンジニアリングおよびサプライチェーンにおけるデータを解析・関連付け、インサイトを抽出することで生産活動と意思決定を高度化する製品です。点在するデータを効果的に用いて競争力を向上させる役割を担っています。キャディは今後も様々なアプリケーションを通じて、製造業の革新を実現していくための技術の提供を目指します。