長野県の一兎舎がヘルスキーパー制度を導入
株式会社一兎舎(以下、一兎舎)は、長野県長野市に本社を構え、社員の健康と多様な働き方を支援するため、新しい福利厚生制度「ヘルスキーパー制度」を2025年4月から導入します。この取り組みは、視覚障害者を正規雇用し、全ての従業員がより健康で快適に働ける環境を整える目的で行われています。
導入の背景
一兎舎は「後世に遺る仕事」を企業理念として掲げ、そのためには従業員の健康が不可欠であると考えています。企業としての持続可能性を確保するためには、従業員一人一人が健康でなければなりません。そのため、今すぐにでも健康管理に取り組む必要があるという思いから、ヘルスキーパー制度を導入することが決定されました。
ヘルスキーパー制度とは
ヘルスキーパーとは、企業内で従業員の健康管理を行う専門職であり、マッサージなどの施術を通じて身体の不調をケアします。この制度は、日本視覚障害ヘルスキーパー協会によって1992年に創立された、いわば「企業内理療師」なのです。全国的にはまだ数少ない導入事例である中、長野県内でもヘルスキーパーはほぼ存在しない状況です。
期待する効果
一兎舎における業務内容は多岐にわたり、デスクワークや菓子製造、納品等がありますが、このような業務では身体的な負担が生じることは避けられません。ヘルスキーパーを社内に設けることで、定期的なマッサージの受けられる環境が整います。これにより、深刻な健康問題が発生する前に小さなケアが行えたり、健康状態の把握が容易になることが期待されます。
また、施術の場が「第三の場所」として機能し、仕事の相談やリフレッシュの効果を持つことで、メンタルヘルスの向上にも寄与すると考えています。さらに、会社の健康への配慮が従業員の自己健康意識の向上へとつながることを目指しています。
障害者の雇用促進
この制度は、障害者の社会進出を促し、能力を最大限に発揮できる職場環境の整備にも寄与します。ヘルスキーパーとしての業務を通じて、従業員にはより幅広いスキルを学ぶ機会が提供され、将来的な独立や起業の道も開かれます。
山崎恵理子代表の想い
「目指すべきは、すべての従業員が自分のペースで健康に、かつ自分らしく活躍できる職場です。性別や年齢、障害の有無に関わらず、すべての人々が能力を発揮できる環境づくりに努めていきたいと思っています。この取り組みを通して、社会全体にも良い影響を与えられると信じています」と代表取締役の山崎恵理子さんは語ります。
株式会社一兎舎について
2006年に設立された一兎舎は、出版やデザイン制作を行う企業です。また、2023年には洋菓子部門を立上げ、さまざまな業務を展開しています。ヘルスキーパー制度の導入は、今後の多様化を進めるための第一歩となるでしょう。
より良い職場環境を目指して、一兎舎の取り組みに今後も注目が集まります。