静岡の冷凍技術革命
2025-07-29 16:48:30

静岡のマグロ業界が挑む環境に配慮した冷凍保管技術の最前線

静岡のマグロ業界が誇る冷凍保管技術の取り組み



この度、静岡県焼津市に本拠を置くシズオカコールドストレージが、国内で初めて超低温冷蔵庫を用いた需給調整市場向けのデマンドレスポンス(DR)を導入したと発表しました。この新しい設備は、株式会社前川製作所の最先端空気冷凍システム「PascalAir(パスカルエア)」を採用し、マグロの冷凍保管においても環境への配慮を強化しています。

環境への配慮とビジネスチャンスの両立


シズオカコールドストレージは2022年6月、マルハ長谷川水産とケーフーズという二つの企業が協力して立ち上げた新しい冷凍マグロ倉庫です。焼津地区は日本を代表するマグロの水揚げ地であり、そのため冷凍に適した倉庫の不足は長年の課題でした。代表取締役社長、長谷川幸雄氏は、その課題をビジネスチャンスと捉え、冷蔵倉庫事業に取り組む決意をしました。

長谷川氏は、「冷蔵庫不足が続く中、長年仲卸の経験を活かして新たなビジネスモデルを作るべきだ」と語ります。この挑戦の根幹には、環境保護への強い想いがあります。毎年、漁獲量が減少する中で企業としての持続可能性を高めることは求められています。

シズオカコールドストレージと前川製作所の提携


冷蔵庫事業の立ち上げにあたり、長谷川氏は多くの関係者と協力しながら考慮した結果、前川製作所の「PascalAir」を導入することに決まりました。従来の冷凍システムと異なり、PascalAirはオゾン層破壊係数がゼロで環境に優しいのが特徴です。また、導入にあたっては、環境省が支援する補助金も有効活用されました。

特に重視されたのは、省エネルギーと電気料金の削減です。導入から1年経過した現場では、大きなトラブルもなく、安定した運用が行われています。シンプルな構造のためメンテナンスも容易で、作業効率も改善されました。

デマンドレスポンスの導入とその意義


さらに、シズオカコールドストレージは新たな挑戦として、超低温用冷蔵庫を利用したデマンドレスポンス(DR)を開始しました。このDRは、電力需要が高まる際に消費者が電力使用量を調整する仕組みであり、これまでにはなかった新しい市場開拓を目指しています。

長谷川氏は、「DRの導入は初めは不安もありましたが、環境への貢献とコスト削減が期待できると判断しました。水産業の未来にとっても新しい道を切り開けることを願っています」と語ります。

今後の展望


シズオカコールドストレージは今後も冷蔵庫不足という課題に取り組みつつ、さらに効率的な設備の導入を検討しています。また、養殖マグロや他の冷随保管商品のニーズも視野に入れています。前川製作所との今後の連携を通じて、持続可能なビジネスの確立を目指しています。

最後に、長谷川氏は「環境に優しく進化を続けることで、私たちの目指す冷凍業界の未来をどのように構築していけるかがカギです」と締めくくりました。


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会社情報

会社名
株式会社前川製作所
住所
東京都江東区牡丹3-14-15
電話番号
03-3642-8181

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