三菱地所株式会社(東京都千代田区、代表執行役 執行役社長:中島篤)と株式会社大林組(東京都港区、代表取締役 社長 兼 CEO:蓮輪賢治)が、共同で行う新たな研究開発プロジェクトが始まりました。このプロジェクトの目玉は、直交集成板(CLT)を使用した長さ3mの大型試験体による屋外暴露試験です。この研究の目的は、CLTの屋外での利用に関する技術を確立することです。
両社は、グループ企業の利点を活かし、発注者や設計者、施工者としての知識とニーズを結集して、国産木材の利用を進める意向を示しています。この試験体は、愛媛県西条市にあるサイプレス・スナダヤの本社工場敷地内に設置されており、両社のグループ会社が協力して経年変化をモニタリングします。計23本の試験体は、耐候性やメンテナンス方法の検証を行い、国産木材の普及を促進します。
本研究の目的
この研究にはいくつかの具体的な目標があります。まず、多様な保護塗料の特性を把握し、次に適切なメンテナンス方法の検証を行います。また、木材に対する必要な加工に関しても検証を進めます。これにより、CLTや木材の屋外利用に向けてどのような特性が求められるのかを明らかにし、長期間の地外活用が可能となるようデータを収集していくのです。
研究の背景
近年、持続可能な社会を実現するために、木材の利用が注目されています。CLTや集成材の技術開発が進み、木材を用いた建築物の普及が図られています。しかし、屋外での木材利用には太陽光や風雨、気温変化といった外的要因が多く、普及が限定的とされています。これを解消するため、三菱地所と大林組は屋外での長期的な試験に着手したのです。
さらなる展望
三菱地所は、今後も国産木材を活用した建物の建設を推進し、森林の機能を活かすことでSDGsの達成に貢献する決意を示しています。一方、大林組も本研究から得られた知見を活かし、木造建築の普及と多様なソリューションの提供に尽力します。今後の研究結果が、国産木材の活用を拡大させることに期待が寄せられています。
参考情報
CLT(Cross Laminated Timber)は、強度を保つために異なる方向に木材を積層して作られる反面、環境に優しく、質感も魅力的です。今回の研究によって、木造建築の新たな可能性が広がることになります。特に、福岡市中央区天神一丁目での新プロジェクトでは、国産木材を使用して環境配慮と省エネ効果が期待されます。
このように、三菱地所と大林組は、木材利用の新たな技術を確立し、持続可能な社会の実現に向けて大きな一歩を踏み出しています。