不屈の精神を持つ義足ユーザーの挑戦
岐阜市に住む大塚一輝さんは、「義足の未来を変える会」を立ち上げ、義足ユーザーとしてのリアルな生活をSNSやブログで発信しています。彼の取り組みは、同じ苦悩を抱える人々に向けたメッセージとなり、共感や相談の声が寄せられています。多くの人たちに「足を切断しても、未来は明るい」という希望を届けることを目的とした活動に、注目が集まっています。
発信のきっかけ
大塚さんが情報発信を始めるきっかけとなったのは、自らの経験にありました。彼は高校生の頃、骨肉腫により抗がん剤治療を受け、最終的に34歳で右脚の膝上を切断する決断を下します。医師からの告知の際、彼は恐怖や不安に襲われ、義足ユーザーの生の声を探し求めましたが、なかなか有用な情報を見つけられませんでした。その経験から、「自分の発信が誰かの道しるべになれば」と考え、SNSやブログでの情報発信を決意したのです。
リアルな声の発信
大塚さんは、旅行や趣味のサッカー観戦、子どもたちとの日常生活をブログやインスタグラムでシェアし、義足ユーザーならではの視点から普段の生活を発信しています。義足装着のメリットや問題点、就活や婚活に関する情報なども提供し、実際に足を切断するかどうかを悩む人たちからの相談が届き始めました。彼自身が必要としていた情報をシェアすることで、「自分の発信が役に立っている」と実感できる瞬間が訪れました。
制度改革の必要性
義足ユーザーになったことで、彼は福祉制度の課題を実感するようになりました。大塚さんは“義足の未来を変える会”を立ち上げ、全国の義足ユーザーから署名を集め、2025年には厚生労働省の担当者と直接話し合う機会を設ける予定です。地元の市役所ともコンタクトを取り、制度改革に向けた地道な努力を続けています。
次世代への普及活動
将来的には、小中高等学校や医療系大学での講演活動を通じて、義足の存在を広めていくことを考えています。街中で見かけることはあっても、義足を直接見ることは少ないため、まずは学生たちに「義足」を知ってもらい、「足を切断したからと言って、人生が終わるわけではない」というメッセージを伝えたいと語る大塚さん。これからの活動に大きな期待が寄せられています。
大塚一輝さんのプロフィール
高校生で骨肉腫が見つかり、10か月間の治療を受けました。復帰後、感染症により再び右脚の切断を余儀なくされましたが、義足でのリハビリを経て、再び社会復帰を果たしました。今や二児の父としても活躍し、FC岐阜のサポーターとして全国各地に足を運んでいます。彼の口癖は「人生楽しんだもの勝ち」。義足を装着した生活でもアクティブに活動し、多くの人々に勇気を与え続けています。