信州大学医学部との新たな研究プロジェクト
株式会社テックドクターは、信州大学医学部と連携し、妊産婦のメンタルヘルス向上に向けた研究を始めます。この取り組みは、ウェアラブルデバイスとアンケートを通じたデータ収集によって、産後うつ症状の予測と早期発見を目指しています。
研究の背景
妊産婦にとって、出産後のメンタルヘルスは非常に重要な問題です。しかし、従来の支援制度は妊娠や出産といった特定のタイミングでの支援ばかりで、産後に起こるトラブルの予測は難しいものでした。そのため、定期的な面談や健診だけでは不十分な場合があります。妊産婦の健康を継続的に把握できる仕組みが求められていました。
特に、睡眠状態は産後のメンタルヘルスに大きく影響することが研究から明らかにされています。そのため、客観的なデータ収集が必要です。今回の研究では、ウェアラブルデバイス「Google Fitbit」を活用して、妊産婦の健康状態をモニタリングし、メンタルヘルス不調との関連を明らかにします。特に睡眠データに注目し、向精神薬の影響やうつ状態を検知するモデル作りを目指します。
研究の目的
本研究の目的は、妊産婦のメンタルヘルスに関するデータを長期的に収集・分析することです。具体的には、2024年9月から2026年8月の2年間を通じて、信州大学医学部附属病院の精神科外来に通う妊産婦からデータを収集します。
研究方法
- - 対象者: 信州大学医学部附属病院の精神科外来を受診する妊産婦。
- - 使用するデータ: 自己記入式アンケート、HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)、Fitbitから得られる脈拍、活動量、睡眠データ。
- - 対象症例数: 100例。
研究チームの紹介
この研究は、信州大学医学部の村上寛講師を中心に、荒井勇輔医員、土井理美助教、伊角彩講師が協力して進めます。村上講師は「妊産婦における切れ目のない支援の重要性」を強調し、デジタル技術の活用が支援の質を向上させる可能性があると述べています。
株式会社テックドクターとは
テックドクターは、デジタルバイオマーカーの開発を通じて、医療・製薬・食品業界に寄与する企業です。自社が開発した「SelfBase」と「Health Portal」は、ウェアラブルデバイスからのデータをAIや機械学習で解析し、健康の向上を図ります。
まとめ
信州大学医学部との共同研究を通じて、テックドクターは妊産婦のメンタルヘルス問題にアプローチし、より質の高い支援体制の構築を目指します。この取り組みが、今後の妊産婦支援における新たなモデルとなることを期待しています。