十三代目 市川團十郎白猿が、襲名披露巡業の最後の公演地として選んだのは、千葉県成田市の成田国際文化会館。2024年8月30日に行われる公演では、古典作品「河内山」を演じます。
「河内山」は、歌舞伎十八番以外にも成田と深い縁を持つ演目として知られています。九代目市川團十郎が河竹黙阿弥と作ったのが初演であり、團十郎家にとって特別な作品と言えるでしょう。
團十郎は、成田公演への意気込みを次のように語っています。「襲名興行期間中最後の巡業となりました。その初日を、市川團十郎家と深いご縁のある成田で迎えられることを大変嬉しく思います。今回は古典作品『河内山』の河内山宗俊を演じさせていただきます。この演目は、成田と縁深い九代目市川團十郎が河竹黙阿弥と作ったのが初演でございます。團十郎家には「歌舞伎十八番」、「新歌舞伎十八番」がありますが、それ以外にもこうして成田とゆかりある演目があるということを、皆様にも知っていただきたいと思っております。ぜひこの『河内山』を成田市で、成田の皆様と時間を共有できたら幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「河内山」は、江戸城の御数寄屋坊主、河内山宗俊が、松江出雲守邸で腰元浪路として奉公している質屋上州屋の娘を救出する物語。悪党ながらも人物の大きさや色気、愛嬌も兼ね備えた河内山宗俊を、團十郎がどのように演じるのか注目です。黙阿弥らしい七五調の名せりふも聴きどころの一つです。
成田国際文化会館での公演は、親子チケットも好評で、歌舞伎ファンだけでなく、初めて歌舞伎に触れる人にもおすすめのイベントです。成田と深い縁を持つ「河内山」を、團十郎の熱演で体感してみてはいかがでしょうか。