日本の職場環境
2017-03-16 11:00:09

日本の勤労者が抱える職場環境への不満とエンゲージメント調査結果

日本の職場環境の実態とエンゲージメント



世界最大のオフィス家具メーカーであるスチールケース社が実施した調査によると、日本の従業員エンゲージメントおよび職場環境の満足度は、調査対象の20か国中最低であることが確認されました。従業員エンゲージメントとは、企業の目標達成に向けて自発的に力を発揮し、貢献しようとする従業員の意欲を示す指標であり、その低下は企業全体の業績にも影響を与える重要な問題です。

調査の背景



今回の調査は、世界中の19ヶ国から14,903人の従業員を対象にし、日本の職場環境とウェルビーングの関連性を探るもので、他国と比較して多くのデータが得られました。日本では、オープンな執務スペースで仕事をしている割合が78%と非常に高い一方で、モバイルワーカーの割合が21%と低いのが特徴です。この点からも、従業員が自分の環境を選ぶ自由度が少ないことが伺えます。

職場環境への不満



本調査では、日本の職場環境に関するさまざまなデータが集められました。具体的には、在宅勤務の割合がわずか9%である一方、ノートPCの利用率は59%と高い数字が出ています。これは、通勤してオフィスで仕事をしなければならないという文化的な背景が影響していると考えられます。

さらに、職場環境に対する評価は10点中5.4で、他の国々と比較しても最低の水準です。職場環境を好意的に受け止める従業員はわずか9%で、他国の平均的な数値と比べても著しく低いことが分かりました。これは、日本の労働文化が多くの従業員にストレスを与えていることを示しています。

エンゲージメントの低さ



今調査の最も注目すべき点は、エンゲージメントの指標です。「会社が自分の能力を引き出している」と感じる従業員は39%にとどまり、これも他国に比べて非常に低い数字です。このような状況が、労働者の士気を低下させ、長期的には企業の成長を妨げる要因となり得ることは明らかです。

文化的影響



調査データを分析した結果、従業員の国や文化的背景がエンゲージメントや職場環境への満足度に大きな影響を及ぼしていることが確認されました。特に新興国の労働者に比べて、先進国の労働者のエンゲージメントは低く、これは文化の違いが影響している可能性があります。

日本の働く環境には、オープンでありながら個人の集中を妨げる要因が多く含まれています。これにより、従業員は自らが快適に作業できるスペースを見つけるのが難しく、職場への満足度が低下しているのです。

今後の方向性



調査結果からは、カジュアルでリラックスした職場文化の形成、また快適でサポート力の高い環境が高いエンゲージメントと業績向上に繋がるという示唆が得られます。

企業は今後、オフィスのレイアウトや働く環境の改善に注力し、従業員の声に耳を傾ける必要があるでしょう。こうした取り組みが、従業員の士気を高め、企業全体のパフォーマンス向上に寄与することが期待されます。

会社情報

会社名
日本スチールケース株式会社
住所
東京都港区南麻布5-2-32興和広尾ビル4F
電話番号

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