兵庫県がZ世代へ送る「旅するキッカケ文庫」とは
兵庫県が株式会社Wおよび株式会社カヤックと共同で、2025年9月20日から「兵庫 旅するキッカケ文庫」を開始します。このプロジェクトは、県が推進する「若者・Z世代応援パッケージ」の一環として実施され、若者の「学び・子育て・住まい・働き」を包括的に支援することを目的としています。特にZ世代をターゲットにしたこの移動式図書館には、約50名の著名人が自身の人生に影響を与えた本を選書し、応援メッセージを届ける役割を果たします。
参加する著名人たち
プロジェクトのアンバサダーとして活動するのは、タレントの山之内すずさんをはじめ、フリーアナウンサーの宇垣美里さんや阪神タイガースの選手たちなど、多様なバックグラウンドを持つ著名人たちです。彼らは人生の中で大切にしている本を通じて、県内に住む若者たちに自らの経験を共有します。この選書活動は、今後も広がり続ける予定です。
移動式図書館の巡回計画
「兵庫 旅するキッカケ文庫」は、神戸ポートタワーを起点に、姫路市や丹波市、三田市、三木市、豊岡市など、県内の10以上の場所を2026年3月まで巡回します。各地では地元企業や店舗と連携したマルシェやイベントも企画され、若者たちとの対話の場が設けられます。この新たな読書体験を通して、若者たちが未来に対する新しい選択肢を見出す機会を提供します。
読書離れと新しい読書体験
近年、若者の読書離れが顕著になっています。文部科学省の調査によれば、1ヶ月に紙の本を1冊も読まない若者は60%を超え、電子書籍も同様に人気が高いことがわかります。しかし一方で、SNSの影響により「#BookTok」といった新しい読書ムーブメントも見られます。このような二極化した状況において、本企画ではZ世代が求める効率性や共感を重視した新しい読書体験を提供します。
新しい「自分発見」の体験
「兵庫 旅するキッカケ文庫」では、2つのユニークな体験が用意されています。まずは著名人による選書で、自分自身に関連性を感じられる本との出会いを促進。この選書には、選書者自らの経験や気づきをもとにした「キッカケの一文」が添えられており、それを通じて読者が心に響く一文を見つけることができます。
次に、アナログなSNSの要素を取り入れた感想共有の場が設けられています。訪れた感想を書き込むことで、参加者同士の共感が循環し、誰かの新たな「キッカケ」に繋がることを狙っています。
地域とのコラボレーション
このプロジェクトでは、兵庫県内の企業とも連携を取り、若者との対話を深めるイベントが企画されています。たとえば、株式会社フェリシモが展開する「スナックこのごろ」などの交流企画が、巡回先の地域で特別出張します。これにより、地元の産品を楽しみながら、生のコミュニケーションの場を提供し、若者の声を形にしていくことが期待されています。
結論
「兵庫 旅するキッカケ文庫」は、単なる図書館の枠を超え、若者たちの成長を支援する新しい取り組みです。この活動によって、未来を担う若い世代がより強く、より明るい未来を築くためのエンジンとなることを願っています。兵庫の未来が、彼らの手の中にあるのです。