渡辺九段が初勝利
2024-08-31 19:33:12

無観客試合を制した渡辺明九段、将棋日本シリーズで初勝利を飾る

2024年8月31日、広島サンプラザホールで行われた「JTプロ公式戦」二回戦第二局では、渡辺明九段が無観客試合の中で豊島将之九段に勝利を収めました。この試合は、将棋の名局とも言える展開となり、特に最後の44手目に放たれた△2四歩が勝利への大きな一手となりました。

【試合の概要】
対局は豊島九段が先手、渡辺九段が後手で開始されました。振り駒で先手が決定し、初手はお互いの思惑が入り混じる形で進行しました。渡辺九段は持ち時間の短さや特殊な棋戦のため、先手の豊島九段に対して慎重に作戦を練って臨みました。

対局開始から、両者が互いの意図を探り合う動きが続き、相掛かりの形に入りました。48手目で渡辺九段が△6五歩と打ったことで、激しい攻め合いが始まります。ここでは豊島九段が一度桂損をしながらも、敵陣に馬を作る優位に立ちますが、渡辺九段の反撃も凄まじく、先に桂を得た後手が攻撃的な姿勢を崩さなかったことが勝因とされます。

【両者のコメント】
対局前日の記者会見では、渡辺九段は「ほかの棋戦では特に豊島九段に苦しめられたことを思い出します。しかし、無観客試合は新たな挑戦であり、視聴者には楽しんでもらいたいと思った」と話しました。一方、豊島九段も「この環境でどのように自分の力を発揮できるかが鍵になる」と自らにプレッシャーを与えて臨みました。

【勝利の瞬間】
渡辺九段は勝利後、「序盤でうまく組み立てられなかった部分を感じましたが、後半の攻めが生きたことが勝因です。次は準決勝なので、ここからの戦いを楽しみにしている」と意気込みを述べました。特に、戦局を優位に運んだ44手目△2四歩は、藤井聡太九段の局面でも見られた戦法であることからも、同棋士の戦略が自身の棋風にも影響を与えていることが伺えます。

【講評】
将棋解説者の山崎隆之八段は、「初めは慎重な展開でしたが、渡辺九段が一歩踏み込んだことで局面が大きく動きました。特に44手目の△2四歩は当時藤井九段が繰り出した新たな戦法とも重なります」と高く評価しました。このように、渡辺九段の作戦が結果を生んだことが際立った試合となりました。

次は準決勝へ向けた戦いが始まります。渡辺九段はその自信を基に、さらなる勝利を目指して研鑽していくことでしょう。2992マスの将棋盤の上でどう展開するか、今後の注目が集まります。


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