水資源と企業の未来
2025-05-12 11:04:23
EY Japanが持続可能な水資源利用に向けた報告書を発表
EY Japanが報告書を通じた水資源保全の重要性を訴求
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(EYSC)は、環境省と共同で最近発表した報告書によって、水資源の持続可能な利用や保全の重要性を強調しています。この報告書は、「自然資本の経済的価値評価の活用可能性について - ウォーターポジティブに資する取組の価値 -」というタイトルのもと、水資源の管理に関する新たな視点を提供しました。
ウォーターポジティブとは
ウォーターポジティブとは、企業や自治体などが消費する水資源よりも多くの水を供給することを指します。これは、業務や地域運営における持続可能な水利用を推進するための指標として注目されています。報告書では、自然資本の中でも水に特化した価値評価を行い、これまでにない認識を促す内容となっています。
報告書の主な取り組み
報告書には、ウォーターポジティブを実現するための具体的なアプローチが記載されています。特に水に関連する生態系サービスとしての重要性を訴えており、水は流域全体の水量や水質に影響を与えるなどのネットワーク性があるため、多様なステークホルダーの協力が不可欠です。
それに伴い、報告書は以下のような9つの具体的取り組みを提案しています。
1. 森林の人為的な整備及び保全
2. 農地の確保と生産条件の維持向上
3. 工場の排水浄化
4. 流域管理の推進
5. 地域の水資源教育
6. 企業の水使用効率向上
7. 地域住民との透明なコミュニケーション
8. 水の再利用の促進
9. 早期警報システムの導入
これらの取り組みを通じて、企業にとっての財務的な利益と社会的価値を同時に創出することが可能になるとされています。
課題の克服
近年、ウォーターポジティブの概念は浸透してきていますが、実際に自治体や企業がその方針を採用するにはいくつかの課題があります。例えば、ウォーターポジティブの政策的意義を示すことができない、もしくは企業がどのように利益を得られるのか理解できないといった声があります。このような背景もあり、ウォーターポジティブに関する取り組みのより明確なビジョンが必要とされています。
EYSCの役割
EYSCの公共・社会インフラセクターディレクターである長谷川啓一氏は、この報告書の重要性について語ります。「日本では水資源が豊かである一方、持続的な維持・活用が求められています。官民一体となって、この資本を守り育て、地域全体での取組が急務です。」
結論
このように、EY Japanと環境省が共同で発表した報告書は、水資源の重要性を再認識させ、企業や自治体が連携して持続可能な未来を築くための道筋を示しています。詳細な報告書の内容は、環境省の公式サイトでアクセス可能です。これからの水資源管理において、ウォーターポジティブの考え方はますます重要なものとなるでしょう。
会社情報
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EY Japan
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