アメリカ大統領選を前に音楽の新たな視点
2024年10月29日、株式会社河出書房新社から新刊『カントリー・ミュージックの地殻変動──多様な物語り』が発売されます。この本は、カントリー・ミュージックが抱える変革の流れにスポットライトを当て、アメリカ文化の現在地を問いかけます。
カントリー・ミュージックはアメリカにおける特有の音楽ジャンルであり、その背後には深い文化的なアイデンティティが根付いています。一方で、カントリー・ミュージックは伝統的に白人保守層に支持され、通常は労働者階級の物語が強調されることが多いです。しかし、現代では新しい波が訪れています。リアノン・ギデンズや、クィアのアーティストたちがこのジャンルに新たな視点を持ち込んでおり、従来の枠にとらわれないさまざまな物語が語られるようになっています。
今年もカントリー・ミュージックは大きな話題を生み出しています。それを象徴するように、ビヨンセの『Cowboy Carter』やポスト・マローンの『F-1 Trillion』が全米チャートで1位になるなど、ジャンルの枠を超えたコラボレーションが確実に進行中です。また、ラナ・デル・レイやリンゴ・スターもカントリー・アルバムの制作に取り組んでおり、このジャンルに対する注目が集まっています。
来る11月9日(土)には、新書の刊行を記念したトークイベントが本屋B&Bで開催され、様々な視点が交差する日となります。このイベントでは、永冨真梨氏、大和田俊之氏、高田漣氏らがカントリー・ミュージックの現在地やこれからの可能性について語ります。参加方法も多様で、現地参加やオンラインでの視聴も可能です。
この本は、インタビューや対談を通じて、カントリー・ミュージックの現在へのアプローチを多様に集約しています。ディスクガイドや論考も含まれ、カントリー・ミュージックの根底にあるストーリーテリングに焦点を当てています。カントリー音楽がどのように進化し、その文化的背景がどのように描かれるのか、ぜひ手に取ってその「現在地」を感じてみてください。
目次について
新書は「Living」「Crossing」「Transcending」「Deciphering」「Sharing」という5つの章から構成され、それぞれの章で異なる視点が提示されます。各章には多彩なインタビューや鼎談、論考が収められ、読者に新たな発見を提供します。
著者について
この書の編集責任を担う永冨真梨氏は、日本においてもカントリー音楽を歌い続けており、米国での経験も生かしてこの本を生み出しました。監修を務める大和田俊之氏も、アメリカ文化に関する研究を進めることで、音楽の背景にあるメッセージを深く掘り下げています。
カントリー・ミュージックは今、アメリカ大統領選を控え、一層の注目を浴びています。その背景にある物語を知ることで、現代のアメリカを理解する手助けとなるかもしれません。新書の内容を通じて、あなたもこの変化の波に触れてみてください。