DX人材育成の現状と課題
2023-11-20 13:00:02
DX人材育成の現状と課題:年間予算1,000万~3億円規模の投資、その効果と今後の展望
DX人材育成の現状と課題:年間予算1,000万~3億円規模の投資、その効果と今後の展望
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が多くの企業にとって喫緊の課題となっています。その実現には、DXを推進できる人材の育成が不可欠です。パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社が実施した『DX・デジタル人材育成トレンド調査2023』によると、企業におけるDX人材育成への投資は年間1,000万~3億円規模に上り、その現状と課題が明らかになりました。
実践につながる育成:施策の見直しと人事評価との連携が重要
調査では、DX人材育成が実践につながっている企業が59.9%と、過半数を超えていることが分かりました。これらの企業は、育成施策の見直しや継続的なモニタリング、そして人事評価への連携を積極的に行っている点が共通しています。単なる研修の受講にとどまらず、実践的なスキル習得と成果への反映を重視することで、DX推進への効果的な貢献を実現していると言えるでしょう。
一方、「実践に繋がっていない」と回答した企業は、育成施策の見直しや人事評価システムとの連携が不足している可能性があります。単なる知識の習得ではなく、実践を通してスキルを向上させるための仕組みづくりが、今後のDX推進において非常に重要になってくるでしょう。
DX戦略の目的:業務改善からビジネスモデル変革へ
DX戦略の目的も変化を見せています。以前は「業務改善」や「データの利活用」が中心でしたが、現在は「新しいビジネスの開発」や「ビジネスモデルの変革」へとシフトしています。この変化は、DXを単なる業務効率化の手段ではなく、新たなビジネス創出や成長戦略の中核として捉える企業が増えていることを示しています。
業種別に見ても、建設業では「データの利活用」から「業務プロセスの変革」、運輸業・郵便業では「業務改善」から「ビジネスモデルの変革」へと目的が変化しているなど、業界特有の状況を反映した戦略転換が図られています。
育成における課題:予算確保と推進体制の構築がカギ
DX人材育成における課題として、「予算がとれない」「推進できる人がいない」「ニーズに合った育成サービスがない」などが挙げられています。特に予算確保は、大規模な投資が必要となるDX人材育成において大きな障壁となっています。
企業は、DX人材育成への投資を経営戦略上の重要な要素として捉え、十分な予算を確保する必要があります。また、育成プログラムの企画・実行を担う人材の育成や、社内におけるDX推進体制の構築も不可欠です。
教育方法:eラーニング中心から脱却、実践的学習へ
現在の教育方法は、多くの企業で社内eラーニングが中心となっています。しかし、これだけでは実践的なスキルを身につけることは難しく、学習内容のアップデートやモニタリングの強化が求められています。
単なる知識のインプットに留まらず、実践的な課題解決を通してスキルを向上させる「実践学習」の導入が、より効果的な人材育成につながると考えられます。
年間予算:1,000万~3億円規模が主流、大企業ではさらに高額
DX人材育成の年間予算は、1,000万~3億円規模の企業が多い傾向にあります。従業員数が多い企業では、3億円以上の予算を計上している割合も高く、企業規模に応じて投資額も増加していることが分かります。
まとめ:継続的な投資と実践的な学習でDXを成功へ導く
パーソルワークスイッチコンサルティングの調査は、DX人材育成の現状と課題を浮き彫りにしました。企業は、継続的な投資と実践的な学習を取り入れることで、DX推進を成功へと導くことができるでしょう。単なる研修の受講にとどまらず、人事評価システムとの連携、施策の見直し、そして実践的な学習機会の提供を通じて、真のDX人材を育成することが重要です。
会社情報
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パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社
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- 東京都千代田区大手町2丁目1-1大手町野村ビル10階
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