空港から世界へ!「お土産和牛」が日本の農業を支える
株式会社福岡ソノリクが2025年6月1日より、福岡国際空港の国際線旅客ターミナル1階にある「Wafood Airport店」で、海外旅行者向けに九州産ブランド和牛をお土産として販売します。この取り組みは、日本の新しい輸出戦略を示すものとして注目されており、福岡県の「博多和牛」を中心に展開する予定です。さらに、年内には九州全7県のブランド和牛への取り扱いを拡大する計画です。
新たな輸出モデル構築へ
福岡空港での和牛販売は、ただの物販に留まらず、空港を起点とした新しい「お土産和牛の輸出モデル」を全国の国際空港へ広げていくことが目指されています。特に、国際線搭乗ゲート内での和牛販売を実現することで、旅行者にとっての利便性を高め、国際空港の輸出機能を強化していく考えです。
多くの人が訪れる空港という場所は、農業が自国の成長産業となるための重要なステージであり、福岡空港から始まるこの挑戦は、日本の農業の新たな成長エンジンとなることが期待されています。
目標は地方創生2.0
この新しい取り組みは、単に商品を販売するだけではなく、旅先で和牛に出逢った旅行者が、帰国前に空港で購入し、さらに帰国後もそのブランドを指名買いするといった新たな市場を創出することを目指しています。これにより、地元の生産者が外貨を稼げる仕組みが整備されれば、多様な農産品の輸出が促進され、日本の農業全体の持続可能性を高めることにつながるでしょう。
全国展開を視野に
福岡空港で九州のブランド和牛の輸出を成功させることで、全国の空港に展開し、日本の農業を輸出成長産業へと育てることが最終的な目標とされています。この取り組みは、地方創生2.0という次世代に向けた希望を繋ぐものといえるでしょう。
背景には国際規制の緩和
2025年5月には、シンガポール政府が旅行者による和牛持ち込みの際の動物検疫検査を撤廃しました。これにより、日本から和牛をお土産として持ち帰ることが容易になり、空港での和牛販売への期待が高まっています。この規制は、家庭消費用に限定され、最大5kgまでの制約が設けられていますが、和牛の魅力を最大限に引き出すチャンスです。
福岡空港で販売が行われる商品は、シンガポール向けには博多和牛のすき焼きや焼肉、ステーキなど、香港向けには肉加工品が用意される予定です。国内消費用にも同様の商品が提供され、全て2025年6月1日からの販売開始が見込まれています。
地元農業と旅行者の新しい関係
福岡ソノリクが展開する「Wafood」は、日本の豊かな食材と理念を世界へ届けるブランドで、特に外国人旅行者をターゲットとした取り組みを行っています。この「地方と世界をつなぐどこでもドア」として、空港は新しい輸出モデルの起点となります。旅行者が和牛をお土産として購入し、その体験が次の旅行者を引き寄せる、そんな好循環を目指すのです。
日本の農業を空港から支え、次の世代に希望をつなぐこの挑戦が、どのように展開していくのか、今後の動きに期待が寄せられます。