トヨタ・コニック・アルファによる新たなモビリティ体験の実証実験
トヨタ・コニック・アルファ株式会社が、株式会社ジェーシービー(JCB)との協力により、九州大学伊都キャンパスでモバイル運転免許証(mDL)を利用した新しい実証実験を実施します。この取り組みは、クルマとドライバーのデータを繋ぎ、高度なモビリティデータの活用を目指した「クルマウォレット連携」の一環です。
実証実験の目的とは?
これまで、モビリティデータの利活用は技術的問題やプライバシーの懸念から制限されてきました。特に、運転者本人の情報が必要不可欠とされる場合、ドライバーを特定する難しさからデータ活用が行えないことが多い現状があります。そこで、この実証実験では、mDLの国際標準規格「ISO/IEC 18013-5」に注目し、ドライバーの安全かつ正確な特定を可能にする新しい仕組みの構築を目指しています。
実証実験の具体的な内容
今回の実証実験は、以下の三つのユースケースを想定しています。
1.
ドライバーの特定: UWB(超広帯域通信)とBLE(低消費電力Bluetooth)を使用して、誰が運転席にいるのかを把握し、mDLと連携して個人特定を行います。どのように複数名で同じ車両を利用した場合におけるデータの管理が行われるのかも実証のポイントです。
2.
自己主権型データ連携: 利用者が自分のデータを管理し、必要な情報のみを適切にサービス提供者に開示することで、モビリティデータの透明性と安全性の向上を図ります。
3.
ジャストタイム連携: ドライバーがクルマで店舗に到着するタイミングに合わせて、必要な注文情報を自動的に送信します。これにより、スムーズな顧客体験の実現を目指します。
実証に期待される効果
この実証実験を通じて期待される成果は多岐にわたります。店舗においては、必要以上の顧客データを保持しなくても良く、顧客の情報をオンラインで簡単に確認できるという利点があります。また、利用者も自分のデータを自分で管理でき、情報利用の透明性が増すことで信頼性が高まります。
今後の展望
日本では、モバイル運転免許証の導入が加速しており、国のデジタル庁もこのシステムの推進に向けた方針を打ち出しています。トヨタ・コニック・アルファは、今後もこのモビリティ分野における新しい顧客体験の実現に向けて研究と実証実験を続けていく所存です。
この新しい試みは、グローバルなモビリティの進化に寄与するだけでなく、個々の顧客にとっても便利な体験を提供することが期待されています。トヨタ・コニック・アルファが目指す未来のモビリティとは、ますます進化していくことでしょう。