東京慈恵会医科大学附属病院の新たな挑戦
東京慈恵会医科大学附属病院が、株式会社セガと株式会社乃村工藝社との協力を通じて、子どもたちとその保護者が安心して過ごせる空間を提供する「慈恵医大キッズコンフォートプロジェクト」を始めました。このプロジェクトの主な目的は、病院という場所を、少しでも心地よく、親しみやすい空間にリニューアルすることです。
目的と背景
この取り組みは、小児科診療部長の大石公彦教授の経験から生まれました。彼はアメリカで医療に従事していた際、子どもたちがヒーローたちから力をもらい、前向きにサポートされる姿を目の当たりにしました。このような環境を日本でも実現したいという思いから、セガと乃村工藝社が共鳴し、具体的なプロジェクトが立ち上がったのです。
プロジェクトのコンセプト
プロジェクトのテーマは「ものがたりのある病院」です。子どもたちが自発的に治療に向き合い、積極的に病気を克服できる意識を育むための工夫が施されています。セガの人気キャラクターたちが登場する特別な物語を通じて、子どもたちは自らを「ヒーロー」と感じながら治療内容を理解し、不安を和らげることが期待されているのです。
エリアの改装内容
1階エントランス
母子医療センターの1階エントランスは、外来の子どもたちとその家族が気軽に訪れることができる環境を目指して設計されています。待合室にはソニック・ザ・ヘッジホッグやぷよぷよなどのキャラクターが描かれ、子どもたちが退屈せずに楽しく待つことができるように工夫されています。このデザインには、病院を訪れることが「冒険」の始まりであるというメッセージが込められているのです。
5階処置室
また、5階の処置室は、子どもたちが特に恐怖感を感じやすい空間であることを考慮し、ぷよぷよのキャラクターが導き手となるデザインを採用しました。キャラクターの映像を利用した明るい雰囲気の中で、子どもたちが少しでも不安を和らげることができるよう、工夫が施されています。これにより、子どもたちが抱える不安感を軽減し、治療に前向きに取り組む手助けをしています。
各関係者のコメント
大石教授は「子どもたちの健康に貢献したい一心で、このプロジェクトに取り組んでいます。医療従事者だけでなく、患者である子どもたちとその家族が安心できる空間を作ることが私たちの使命です」と述べています。また、セガの顧問も「エンターテインメントの力を使って、子どもたちに笑顔を届けられることを嬉しく思います」とプロジェクトへの期待を語りました。
これからの展望
今後、このプロジェクトは単なる病院の改装にとどまらず、地域の医療環境を改善し、患者の心のケアに貢献する一歩となるでしょう。病気を抱える子どもたちが、自らの物語を生きる勇気を持てるよう、取り組みを続けていくことが大切です。これにより、病院が子どもたちにとって「楽しい場所」になることを目指して、関係者全員が一丸となって努力していきます。