トヨタ・モビリティ基金がインドの交通問題に挑戦する新プロジェクト

トヨタ・モビリティ基金の新たな挑戦

一般財団法人トヨタ・モビリティ基金（TMF）は、インドのベンガルールにて通勤者の地下鉄利用を促進するための「STAMP」プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、WRI Indiaなどのパートナーと協力し、行動科学を駆使して通勤手段の選択を変えることを目的としています。

STAMPプロジェクトの背景

ベンガルールの交通事情は深刻であり、特に自家用車の利用は高い比率を占めています。過去の調査では、ラストマイル（自宅から地下鉄駅までの接続部分）における待ち時間やコストの高さが、公共交通機関の利用を妨げている要因として明らかになっています。そこで、今回のプロジェクトでは、主に富裕層の通勤者をターゲットに、地下鉄利用を促進する新たな手法を導入することとなりました。

プロジェクトの内容

STAMPプロジェクトでは、経済的インセンティブや安全性の向上、目標設定機能を持つゲーム要素などを組み合わせて、地下鉄の利用促進を図ります。特に、道路照明の改善やバス停の待合所の設置、ユニバーサルデザインの導入により、すべての人々が快適に移動できる環境を整えます。また、アプリを通じてリアルタイムの運行情報を提供し、利用者が多様な通勤手段から選択できるようにします。

イノベーター公募

さらに、このプロジェクトの一環として、イノベーターを募集しております。主な応募条件は次の通りです。まず、ゲーム的要素を盛り込んだアプリの開発を提案し、従業員が持続可能な通勤のメリットを享受できる仕組みを構築することが求められます。

次に、主要ターミナル駅であるエレクトロニクスシティと職場間の通勤利便性を高める案として、徒歩、自転車、地下鉄、バス、あるいはライドシェアの情報をリアルタイムで取得できるアプリの開発が待たれています。また、多様な通勤ニーズに応じたラストマイルアクセス、料金体系、安全性や利便性を向上させるソリューションも公募されています。

募集期間と補助金

公募の期間は2025年4月から6月までで、助成総額は100,000米ドルです。応募にはインド国内のイノベーターとの連携が必要です。募集が終了した後、選定されたイノベーターによる実証実験が2026年4月に予定されています。

トヨタの理念

トヨタ自動車は、創業以来、顧客やビジネスパートナー、従業員、地域社会など全てのステークホルダーを大切にし、自動車を通じた豊かな社会作りを目指して活動してきました。その一環として、TMFは公益的な活動を強化し、世界中の移動課題に取り組む幅広いプロジェクトを実施しています。

このプロジェクトを通じて、トヨタは持続可能な社会づくりに寄与し、さまざまな交通問題を解決するための一歩を踏み出しました。今後の「STAMP」プロジェクトの発展に期待が寄せられています。

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