新千歳空港が2024年12月から2025年1月にかけて、アバターロボットを用いた多言語対応の案内実証を行います。これはANAホールディングス発のスタートアップ、avatarin株式会社が主体となり、ソニーワイヤレスコミュニケーションズ株式会社が参加する総務省の施策に沿ったプロジェクトです。今回の実証は、空港内業務の効率化を図りながら、観光客へのサービス向上を目指すものです。
この実証では、avatarinが独自開発した二つのロボット、アバターロボット「newme」と荷物運搬型の案内支援ロボットが導入されます。これにより、利用者の案内を行い、空港業務の人手不足の解消に寄与すると考えられています。新千歳空港を起点に、地域観光の振興にもつなげる意図があります。
実証詳細
実施期間は2024年12月10日から16日、2025年1月24日から30日までの間で、時間は10時から18時となっています。特に、12月12日と1月27日は実施されない予定です。アバターロボットは空港内の国際線到着口周辺を中心に設置され、遠隔操作は東京都中央区のavatarinのオフィスにて行います。
目的と機能
目的は、ローカル5Gを活用し、アバターロボットを何台も同時に稼働させ、ポイントごとに案内支援を行うことです。これにより、空港内の情報提供がスムーズに行われるとともに、海外からの観光客にも配慮した多言語の案内が実現します。
案内では、空港内の施設情報から観光地、さらには二次交通の利用方法に至るまで、幅広い内容をカバーします。また、手荷物の搬送サポートとも連携して、より細やかなサービスを提供する仕組みです。
期待される効果
この実証実験は、地域社会が直面するデジタル技術の導入による課題解決に寄与することが期待されています。総務省が支援する「地域デジタル基盤活用推進事業」のもと、デジタルの力で地域課題を解消し、より豊かな観光体験を提供することを目指しています。今後、アバターロボットは、空港業務だけでなく、観光業界全体や地域経済をも活性化するツールとして普及する可能性を秘めています。
全国各地でも、類似の取り組みが進んでいる中、新千歳空港の事例が他の地域に波及し、デジタル基盤の強化につながることが期待されています。