企業のeスポーツ協賛がもたらす新たな価値とは
2023年10月、eスポーツリーグ『X-MOMENT PMJL SEASON2』が開幕しました。このリーグは、企業のeスポーツへの協賛がどのような新たな価値を生んでいるのかに注目が集まっています。本記事では、東京メトロとソニーへの独自インタビューを通じて、その本質を明らかにしていきます。
eスポーツと企業協賛の関連性
企業がeスポーツへ協賛する背景は様々です。特に、ゲームとの関連性が低い企業が参加することで生まれる意外性は、企業の認知を高める要因となります。東京メトロの森井氏は、「意外性のある取り組みを通じて、企業の新たなイメージを確立できる」と述べています。これにより、企業は進取の気性を持つ先進的なブランドとして認知されることが期待できます。
さらに、eスポーツはSNSとの相性が非常に良いという指摘もあり、話題になることで企業の認知度を上げると同時に、良好なイメージを築く助けになります。これらの点が、eスポーツ協賛の価値を高めているのです。
Z世代へのアプローチ
eスポーツは、特にZ世代やデジタルネイティブ世代に熱心なファンが多いことから、この層をターゲットにした取り組みが重要です。REJECTの甲山氏は、「若い世代は選手の練習風景や試合を楽しむ傾向があり、そのプロセス全体がコンテンツとして受け入れられています」と語ります。このように、eスポーツは以前のように限られたファン層だけではなく、広く一般の人々に受け入れられる可能性を秘めています。
企業の取り組みとその効果
東京メトロは2年前からeスポーツ事業に参入し、eスポーツ選手やストリーマーが顧客にトレーニングを提供するための『eスポーツジム』を開設しました。この取り組みにより、顧客満足度の向上を図っています。森井氏は、SNSでの反応やインプレッションが向上した結果、企業価値が確実に上がっていると考えており、その効果は広告換算値においても一定であるとしています。
また、ソニーはeスポーツリーグに協賛することで、同社のXperiaスマートフォンがゲームユーザーに直接リーチできることを評価しています。田倉氏は、「Xperiaでゲームをプレイする人が着実に増えている」とし、eスポーツを通じた広告効果の持続可能性を期待しています。
eスポーツの未来と可能性
eスポーツの将来について、ソニーの大塚氏は「eスポーツがますます一般的になることで、他のスポーツと同じステータスを持つようになる」と予測しています。これにより、企業がeスポーツに協賛することが日常化し、企業にとってのスタンダードとなるでしょう。
さらに、eスポーツはバーチャルな世界の進化とともにますます面白くなっていくことが期待されています。協賛を通じて得られる成果や新たなメディアとしての活用が進む中で、企業にとってのeスポーツの価値はますます高まっていくことでしょう。
お問い合わせ
eスポーツリーグ『X-MOMENT』では、リーグスポンサーを募集しています。興味のある企業は以下のメールアドレスにお問い合わせください。
[email protected]
プロフィール
株式会社REJECT 代表取締役 甲山 翔也(こうやま しょうや)氏
1999年に生まれ、10代からeスポーツ選手として活動。その後、eスポーツチームを立ち上げ、選手ファーストのチーム運営を展開。
東京地下鉄株式会社 経営企画本部 企業価値創造部の森井 亮太(もりい りょうた)氏
2013年に東京メトロに入社し、eスポーツ事業を推進しています。
ソニーマーケティング株式会社の大塚 亮(おおつか りょう)氏、田倉 研冴(たくら けんと)氏
両名はゲーム推進事業に注力し、eスポーツ協賛の重要性を強調しています。