金融教育の課題
2024-07-31 20:31:28

金融経済教育の現状と課題:教員の専門性向上と外部連携の必要性

金融経済教育の現状と課題



今年6月、日本FP協会が実施した「学校における金融経済教育に関する意識調査」により、教育現場での金融経済教育の浸透状況や課題が明らかになりました。調査の結果、教員が金融経済教育を効果的に行うためには、専門知識の不足と時間的制約が大きな壁となっていることが浮き彫りになりました。

調査の背景と目的


この調査は、2028年度末までに学校での金融教育を受けた人の割合を現在の7%から20%に引き上げることを目指す政府の施策に基づいて行われました。調査対象は全国の小・中・高等学校の教員で、814名の回答が集まりました。調査結果からは、教員が金融経済教育に携わりたい意欲は強いものの、実際には多くの課題に直面していることが明らかになりました。

主要な調査結果


専門知識の不足


金融経済教育で直面する難しさの中で最も多く挙げられたのが、内容が生徒にとって理解しにくいことと、教員自身の専門知識の不足です。なんと半数以上の教員が、専門的な知識が必要不可欠だと感じているのに対し、実際にその知識を持っている教員は少数です。さらに、金融教育が生徒に浸透していると感じる割合はわずか13%にとどまっています。

時間的制約


次に明らかになったのは、教員が自己研鑽をするための時間が不足していることです。58%の教員が金融知識を得るための取り組みが困難であると感じており、その大きな理由が「時間の余裕がない」ことでした。一方で、約40%は知識や情報の更新が追いつかないと答えています。

外部組織との連携の必要性


調査結果によると、約8割の教員が外部組織との連携を強く求めていることがわかりました。しかし、実際には外部講師を利用したことがある教員は26.5%に過ぎず、連携の経験がない教員も半数を超えています。外部組織と連携することで、より専門的な知識をもった講師の授業を受けられる期待感が示されましたが、実現には至っていません。

外部組織に求める条件


外部組織との連携を進めるべき理由として、大多数の教員が「高度な専門知識を持った講師の授業が受けられるから」と回答。さらに、教員は「公平かつ中立な立場の専門家」を求めており、依頼料の負担が少ないことや学校教育に対する理解も重視されています。

金融経済教育の必要性


調査に参加した教員の約90%が金融経済教育の必要性を強く感じており、学校での教育に対する意欲の高さがうかがえます。しかし、これらのニーズに応えるためには、教員の専門的な知識を高めることと、外部講師の活用が不可欠です。

結論


この調査を通じて、教員が金融経済教育を効果的に実施するためには、専門知識の習得と時間的な余裕を持たせること、さらに外部組織との連携が重要であることが明確になりました。日本FP協会が提供する「パーソナルファイナンス教育インストラクターによる出張授業」などの支援を通じて、教育現場の課題を解消し、金融リテラシー向上に寄与することが求められています。


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