宇和海での漂着ごみ回収活動が開始
2024年7月22日、愛媛県宇和島市において、日本財団と愛媛県が協力し、約30トンもの漂着ごみを回収する作戦が実施されました。この活動は、瀬戸内海に面する4県で共同推進する「瀬戸内オーシャンズXプロジェクト」の一環として行われ、清掃困難な海岸に漂着したごみを特殊な船を使って回収しました。
背景と目的
この取り組みは、近年増加する海洋ごみ問題に対応するため、根本的な解決に向けて行動すべきとする趣旨から始まりました。宇和海に漂着するごみは、海洋生物に悪影響を及ぼすだけでなく、景観を損ね、地域の漁業にも影響を与えています。2022年の調査によると、宇和海周辺で人が立ち入れない海岸には、およそ560カ所でごみが滞留しており、それは軽トラック32,000台分の量に相当します。
清掃活動の実施
今回の清掃活動には、愛媛県知事や宇和島市長をはじめとした多くの関係者が参加しました。参加者は、特別に用意された上陸用の特殊船に乗り込み、清掃場所に向かいました。船上には、硬質プラスチックを破砕する機器や発泡スチロールを圧縮する機器も備えられており、効率的なごみ回収が行われました。
清掃活動は約1時間にわたり続けられ、最終的には約30トンのごみが集められました。清掃後、愛媛県知事の中村氏は「宝である瀬戸内海を守るために、皆で取り組みましょう」と呼びかけました。また、日本財団の会長も市民の協力を促し、今後の活動への期待を表明しました。
今後の展望
今回の活動は、2024年から始まる3年間の計画の一部であり、重点的に回収する107の地点が設定されています。今後も継続的に巡回し、漂着ごみの回収を行う予定です。また、海洋ごみの発生を予防するための取り組みも強化されることが期待されています。
寄付による支援
本日の清掃活動にかかった費用は、ボートレース児島(岡山県)、ボートレース宮島(広島県)、ボートレースまるがめ(香川県)からの寄付金約3千万円を活用しました。これにより、清掃活動はより効率的に、かつ持続可能に行うことができています。
おわりに
海洋の美しさを取り戻し、未来の世代に引き継ぐためには、地域全体での協力が不可欠です。市民や関係者が一体となって、宇和海をきれいな海にするための努力を続けることが大切です。これからの清掃活動に注目し、皆で海洋環境を守りましょう。