不要スーツから生まれた循環型スーツ！青山商事が『ウエアシフトスーツ』を発売

不要スーツから生まれた循環型スーツ！青山商事『ウエアシフトスーツ』

青山商事株式会社は、2023年10月から全国の「洋服の青山」と「スーツスクエア」に設置されたリサイクリングボックスで回収された不要スーツのウールを使用した循環型スーツ『ウエアシフトスーツ』を、2024年11月12日より販売開始しました。

同社は、環境負荷軽減を目指し、2023年10月から「終わらない服をつくろう。」を宣言コピーに掲げ、不要になった衣類などを回収するリサイクリングボックスを全国の店舗に設置。お客様が気軽にエコ活動に参加できる環境を整えてきました。

そして、この取り組みから生まれたのが、リサイクルウールを取り入れた『ウエアシフトスーツ』です。同社のグループ会社である「メルボ紳士服工業」の工場で出た裁断クズを再利用し、環境負荷軽減を意識した新たな視点で企画されたスーツです。

ウールのリサイクルは、繊維の長さが短いため再生が難しいとされており、生産過程では手作業が多く、均一な品質を保つことが困難なことから、時間と手間がかかるとされています。しかし、青山商事は、古くからリサイクルウールを手掛ける尾州地域（愛知県北西部から岐阜県岐阜市にかけての地域）で、回収されたスーツを仕分け、紡績、仕上げまで一貫して行うことで、高品質なリサイクルウールを実現しました。

『ウエアシフトスーツ』は、ウールだけでなく、他の素材も大半がリサイクル素材を採用しており、環境に優しい循環型スーツとなっています。

尾州地域での取り組み

青山商事は、店頭回収した衣料（ウール100％スーツ）を、繊維to繊維で表地となるもの（ウール100％スーツを裁断した生地部分）にリサイクルし、リサイクルウールとして活用しています。

担当者コメント

商品部の河原林孝太氏は、「今回、初めてリサイクリングボックスから回収したスーツのウールを取り入れた循環型のスーツが完成しました。この循環型スーツが完成したからこそ、社内にウエアシフトの取組みを浸透させるために営業店スタッフを対象に尾州の工場見学へ招待しました。実際に、リサイクルされた衣類がどのような流れで生地となっていくかを自分の目で確かめ理解を深めていただきました。改めて、お客様へ当社の取組みを理解していただくことで、不要になった衣類を気軽に店舗へ持ってきていただき、今後も環境負荷軽減を目指した取り組みを強化していきたいと思います。」とコメントしています。

『ウエアシフト』宣言コピー

青山商事は、この取り組みを通して、環境負荷軽減を意識した循環型社会の実現を目指しています。

リサイクリングBOX「ウエアシフト（WEAR SHiFT）」について

リサイクリングBOXは、店頭入口やレジ前付近などに設置され、お客様は不要になった衣類を回収BOXに直接入れて、クーポン券と交換することができます。リサイクリングBOXには、古着や古布などの廃繊維のみを使用したリサイクル素材（リフモボード）が採用されています。

下取りサービスを活用した資源循環

青山商事は、1998年から全国の店舗で下取りサービスを開始しています。回収されたスーツは、ほぼ全量をリサイクル・リユースしており、リサイクル品は車の断熱材や荷物の緩衝材などに再利用されています。

また、2018年には、回収したスーツの一部をリサイクルした「防災毛布」を制作しました。当初は災害救助用備蓄毛布として備蓄・保管していましたが、2019年からは、災害が起こる前の備えとして役立てていただきたいと考え、新潟県佐渡市、鹿児島県奄美市、熊本県天草市など計11自治体に2,200枚（2024年10月末現在）を寄贈しています。

さらに、2021年度からは、回収量に応じて1キロあたり2.5円を森林保全団体「more trees（モア・トゥリーズ）」へ寄付する活動も開始しました。2022年度は874,930円、2023年度は888,588円を寄付しています。