THKとSORACOMが生産現場の効率性を高める新たな提携
THK株式会社がソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を採用し、生産現場のロスを削減し、設備の総合効率(OEE)の最大化を図ることを発表しました。この取り組みは、製造業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として位置づけられています。
設備総合効率(OEE)とは
設備総合効率(OEE)は、生産設備の効率性を評価するための重要な指標です。稼働性、品質、性能の3つの観点から評価されるOEEを最大化することは、製造業において生産性と利益を向上させるための必須条件です。この点で、「OMNIedge」は非常に強力なツールとなります。
「OMNIedge」とは
「OMNIedge」は、THKが提供するOEE最大化プラットフォームで、部品予兆検知AIソリューションを含む、生産設備全体を対象にした包括的なソリューションです。これには、センサーや通信機器、一連のAIソリューションが統合されており、直動部品の潤滑状態や破損の情報をリアルタイムでモニタリングし、効率的なメンテナンスを実現します。
特に、THKの直動部品(LMガイド、ボールねじ、アクチュエータなど)は、工作機械や半導体製造装置など、さまざまな産業で必要不可欠なものです。それらの部品は、機械内部に取り付けられるため、定期的なメンテナンスが必要です。
SORACOMの採用理由
THKがSORACOMを選定した理由は、使いやすいユーザーコンソールやマルチキャリアの通信機能にあります。これにより、既存の設備に新たなネットワークを敷設することなく、迅速にIoTとAIを導入できる環境が整います。特に、工場の電波環境に応じた安定した通信品質を提供し、信頼性の高いデータ収集が可能になります。
拡大する対応範囲
OMNIedgeはTHKの直動部品に関するAIソリューションにとどまらず、プロセスオートメーション用のモータやポンプ関連の故障予兆検知AIソリューション、切削工具の摩耗や欠損を監視する「工具監視AIソリューション」も提供するなど、対応範囲を拡大しています。また、海外市場への展開も視野に入れています。
今後の展望
THKとソラコムは、製造現場の持続的な生産性向上に寄与するべく、導入ユーザーからのフィードバックを基にさらなる改善を目指します。THK株式会社の坂本卓哉氏は、安全な通信網を利用することで、企業が手軽にOEEを最大化できる点を強調しています。
ソラコムのCEOである齋藤洋徳氏も、この取り組みを通じて製造業のデジタル変革に貢献できることを喜んでいるとコメントしています。即ち、THKの経験とソラコムの技術が融合することで、国内外の製造業のDXを推進する新たな道が開かれたのです。
まとめ
THKがSORACOMを採用することで、OMNIedgeプラットフォームは大きな進化を遂げました。これにより、製造業はより効率的で、持続可能な未来に向けた一歩を踏み出すことができます。今後の展開に注目です。