福岡市職員の転倒予防実証実験
福岡市とスポーツオアシス、ルネサンスが共同で行った「バランスボールを活用した転倒災害予防実証実験」が、日常的な運動不足対策としての効果を実証しました。この実験は、特に高齢化が進む労働環境において重要な成果をあげました。
実験の背景
厚生労働省の調査によれば、労働災害における転倒事故は年々増加しています。特に、50代以上の職員を対象とした場合、転倒によるけがの割合が増加傾向にありました。このような背景から、福岡市では職員の転倒災害を予防するために、バランスボールを取り入れた実証実験を決定しました。実験は2024年5月から8月までの3ヶ月間にわたって行われました。
実験の概要
この実験には、運動習慣のない40歳以上の福岡市職員100名が参加しました。彼らは、業務中にバランスボールを椅子の代わりに使用し、また、ルネサンスから提供されたエクササイズを実施しました。評価方法として、下肢筋力やバランス能力を測るために複数のテストが行われ、参加者の身体的な変化を確認しました。
具体的な成果
実験結果は驚くべきものでした。バランスボールを日常的に使用することで、下肢筋力、バランス能力、そして敏捷性が向上したことが確認され、転倒リスクが有意に低下しました。調査では、実験前に「つまずいた」と回答した方が60.9%だったのに対し、実験後には32.6%に減少し、転倒したという報告はゼロでした。このようなデータは、実施したプログラムの効果を表しています。
参加者の声
参加者からは「姿勢が良くなった」や「腰痛が軽減した」といった前向きな声も寄せられており、実験は身体的改善に繋がったことが分かります。これにより、オフィスでの作業環境も改善されていると考えられます。
今後の取り組み
オアシスとルネサンスは、実験の成果を基にして、全国の地点においてバランスボールを活用した転倒予防プログラムを展開する方針です。また、職場における安全衛生の向上に寄与することを目指し、さまざまな健康商品と組み合わせた新たなプログラムの開発も計画しています。
企業ミッション
スポーツオアシスは、「Well-being First!」という企業理念のもと、誰もが健やかな日常を過ごせる社会の実現を目指しています。また、持続可能な社会実現のために、体を動かしやすい生活環境を提供することにも取り組んでいます。
この実験は、労働環境における新しいアプローチとして、多くの自治体や企業に広がる期待を抱かせています。今後も、その成果や知見をもとに、幅広い人々の健康維持に寄与していくでしょう。