レーザフュージョン発電の未来
2025-07-31 18:04:59

浜松ホトニクスとEX-Fusionが切り拓くレーザフュージョン発電の未来

浜松ホトニクスとEX-Fusionが切り拓くレーザフュージョン発電の未来



2023年、浜松ホトニクス株式会社とEX-Fusionは、レーザフュージョン技術の新たな実証試験を成功させました。この試験は、今後のエネルギー生成の主流となる可能性を秘めており、特に連続レーザ照射による新手法の実現に向けた重要な一歩とされています。

レーザフュージョン研究の転換点


現在、レーザフュージョン研究は主に「単発レーザ照射」に依存しているのが現状です。これは燃料ターゲットに対し、一度だけレーザを照射する実験手法です。しかし、今後の研究は「連続レーザ照射」に移行することが予測されています。連続的にエネルギーを供給することで、より効率的で安定したエネルギー生成が期待されるからです。

今回の実証試験が成功すれば、大出力のレーザを用いた新しい方式のレーザフュージョンが実現する可能性があります。この技術はエネルギー分野において「ゲームチェンジ」となるかもしれません。

重要な実証試験


浜松ホトニクスとEX-Fusionは、自社の技術を駆使した大出力レーザの連続照射システムを構築しました。このシステムでは直径1ミリメートルの金属製ターゲットを1秒間に10回の頻度で、正確にレーザ照射することを実現しました。実験結果は、照射位置とターゲット位置の誤差が約500マイクロメートルに抑えられ、50%以上の確率で成功したことを示しています。このような精度での長時間実験は、世界初の試みとして注目されています。

また、レーザからターゲットに戻る光のデータも取得され、これら全ての結果が今後の研究開発の礎となるでしょう。特に、次のステップである100ジュール以上のレーザを用いたさらなる実験に向けて、大きな進展が期待されています。

研究の背景


レーザフュージョン発電は、重水素と三重水素を燃料として用いた原子核の融合を基にしています。このプロセスで発生するエネルギーを発電に利用することが狙いです。特に、燃料ターゲットに100本以上のレーザを同時に照射する必要があるため、技術的な挑戦がたくさんあります。

国立点火施設(NIF)での「点火」の達成を受け、レーザフュージョン研究はグローバルに加速していますが、実用化に向けては、安定した連続動作が求められます。ここで浜松ホトニクスは、1990年代から大阪大学と提携して研究を進めており、世界最高レベルの大出力レーザ技術を持っています。

EX-Fusionは、日本初のレーザフュージョン発電を実現するスタートアップとして、2021年に誕生しました。彼らの速やかな技術開発は、2024年には目に見える成果を期待されており、レーザフュージョン技術の実用化に向けた新たな道筋を作っています。

未来への展望


今後、アメリカや中国、ヨーロッパでもレーザフュージョン技術の開発が進むと考えられており、日本企業の技術革新が重要な役割を果たすことが期待されています。需要が高まる中で、レーザフュージョン発電が未来のエネルギー供給の鍵となるかもしれません。

浜松ホトニクスとEX-Fusionの共同実験は、ただの研究に留まらず、大規模な国家プロジェクトや国際プロジェクトとして進展することが期待されています。日本の技術が世界中で注目を浴びる日も近いかもしれません。

今後の動向から目が離せません。


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会社情報

会社名
浜松ホトニクス株式会社
住所
静岡県浜松市中央区砂山町325-6
電話番号
053-452-2141

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