待望の文庫化!松家仁之『火山のふもとで』
松家仁之のデビュー作であり、読売文学賞を受賞した小説『火山のふもとで』が、2012年の単行本刊行から13年の時を経て、新潮文庫として本日発売されることとなりました。文庫版では著者自身による「文庫版へのあとがき」も収録され、彼の編集者時代や執筆に至る道のりが色濃く描かれています。
浅間山のふもとでの物語
本作の舞台は、浅間山の美しい自然に囲まれた青栗村の村井設計事務所「夏の家」。老建築家の「先生」と、若き建築家である主人公「ぼく」が共に過ごす静かな夏のひとときを通して、成長や恋、そして建築の素晴らしさが描かれています。平凡な日常の中に潜む美を、松家仁之は巧みに表現しています。この作品は、読者に自然と人間、時間の流れの美しさを再認識させてくれるでしょう。
高評価を受ける本作
すでに単行本刊行時から絶賛を受けており、作家の川上弘美さんは、本作品についてその美しさや深さを高く評価し、「読めば読むほど好きになる」と語っています。また、書店員たちからも「美しく静謐な世界が描かれた完璧な小説」とのコメントが寄せられています。このように、多くの人々に愛されてきた作品が再び手に入るチャンスです。
文庫化を機に連続刊行
松家仁之の文庫化は『火山のふもとで』にとどまらず、2月の『沈むフランシス』、そして3月の『光の犬』と、3ヶ月連続の文庫新刊が続きます。各作品には有名な作家や役者による解説も収録され、さらなる魅力を引き出してくれます。
- - 『沈むフランシス』(2月28日発売): 北海道の小さな村での儚い恋愛物語。
- - 『光の犬』(3月28日発売): 3代にわたる家族と北海道犬の物語。
また、この連続刊行を記念して、特別な書評やエッセイも掲載されます。この機会をお見逃しなく!
新作長篇小説『天使も踏むを畏れるところ』
さらに、松家仁之の最新長篇小説『天使も踏むを畏れるところ』も3月26日に刊行予定です。かつての主人公「先生」こと村井俊輔が登場し、戦後の日本を背景とした壮大な物語が展開されます。しおりには特製のイラストが施され、QRコードから冒頭部分が立ち読みできます。どちらの作品も、松家仁之の独特な世界観を存分に楽しめることでしょう。
このように、松家仁之の作品が次々と新たな形で届けられるこの時期に、ぜひ読書を楽しんでみてはいかがでしょうか?