健康志向の高まる今、牧草牛の全貌とGOODGOODの挑戦

熊本県阿蘇に位置するGOODGOOD合同会社は、特に国内では珍しい和牛の自社牧草飼育を行っています。ここの牧場では、粗飼料多給飼育により生産された牧草和牛が、関西の高級住宅地である芦屋や苦楽園地域での直営店舗「GOODGOODMEAT」で提供されています。2020年2月1日から、これまで特定のミシュラン掲載店のみが対象だったこの高品質な牧草牛の卸売販売を、一般の飲食店やホテルへも拡大することになりました。

この背景には、最近の赤身肉の人気や健康的な食事への関心の高まりが影響しています。国内での牧草牛の知名度が向上したことで、取引先外の店舗からの問い合わせも増えているとのこと。GOODGOODは、消費者に正しい情報を提供し、彼らと直接対話する機会を増やすためにこの決断を下したのです。

さらに、GOODGOOD合同会社は昨年、阿蘇市内に新たに200ヘクタールの放牧採草地を加え、合計500ヘクタール（約150万坪）の広大な土地で生産を行っています。この広い土地での生産基盤の強化により、牧草栽培から繁殖、肥育、食肉加工、業務用販売、小売、飲食店までの一貫したサービスが可能になりました。

オメガ3を多く含む牧草和牛は、最近ではテレビなどでその健康効果やさっぱりとした味わいが取り上げられるようになっています。特に、都市部での和牛種の認知度が向上したことを受け、GOODGOODは高単価店から一般の飲食店やホテルへの供給先を広げる取り組みを行っています。

さらに、GOODGOOD合同会社では、一般の飲食店が容易に導入できるよう、ランプやイチボ、モモ部位などの調理方法を提案する専門チームを設置しました。このチームは、世界で人気のニュージーランドの牧草アンガス牛との併用なども提案していく予定です。

特徴的なことに、GOODGOODの直営農場では、フランスでは一般的な牧草主体で育てる方法を用いて、和牛の生産に取り組んでいます。これにより、和牛特有の旨味や香りを大切にしつつ、脂肪が多く敬遠されがちだった牛肉の魅力を消費者に再発見させる努力を続けています。特に、高級住宅地の健康志向の高い消費者層からは支持を得ており、今後の展開が期待されています。

このように、GOODGOOD合同会社は、健康志向が高まる中で牧草牛の取り組みを拡大し、消費者との接点を増やすと共に、その生産背景を広く周知していくことを目指しています。