シニア層の認知症対策に関する実態調査
近年、シニア層の増加に伴い、認知症対策がますます重要視されています。コスモラボが行った大規模な認知症に関する調査では、シニア層の認知症に対する理解と予防意識が示されました。
認知症のイメージ
調査において、参加者が認知症の代表的な症状として挙げたのは、圧倒的に「もの忘れがひどくなる」というもので、実に88.1%がこれに同意しました。この結果は、高齢者が認知症を記憶障害の延長線上で捉えていることを示唆しています。また、「同じことを繰り返す」と「徘徊する」といった言葉も多くの回答を得ており、日常生活における変化に特に敏感であることが見受けられます。この認識の背後には、59.4%が「介護施設に入るなどサポートが必要になる」と感じていることからも、生活全般への影響を強く意識していることが窺えます。
予防策への意識
次に、認知症を予防するために実践していることに関して調査を行ったところ、最も多くの人が「人と会話をする」こと(75.8%)を挙げました。さらに「適度な運動(有酸素運動)を行う」(63.5%)や「色々なことに興味や関心を持つ」(63.0%)ことも高い割合で支持されています。これらの活動は、脳の活性化や社会的つながりの維持に寄与すると考えられ、特に会話を通じたコミュニケーションは孤立を防ぐ効果が期待されています。
早期発見の重要性
早期発見に関する認識としては、「早期の症状や変化についての知識」が42.5%と最も高く、情報提供の必要性が強調されました。また、医師や専門家への相談方法(20.5%)や定期的な認知テストの重要性(18.7%)も挙げられており、正しい知識や適切な対応策が求められています。
必要とされるサポート
将来的に自分や家族が認知症になった場合に必要となるサポートとしては、「日常生活の支援と介助」が79.9%の高い支持を得ました。次いで医療的な治療(49.8%)や感情的な支えと精神的なケア(43.8%)が続いており、不安が高いことが伺えます。
総評
今回の調査結果からは、シニア層が認知症を他人事ではなく、自身や家族の問題として捉えていることが明らかになりました。特に、日常的な予防策が会話や運動といったインフォーマルな手段であることは、健康的な生活習慣の一部としての位置づけを示唆しています。さらに、「早期の症状や変化に関する知識」の必要性は、正確な情報を求める声が多いことを反映しています。
今後、日常的な認知症予防活動とともに、分かりやすい情報の提供や、相談しやすい環境づくりが求められます。これにより、シニア層の不安を軽減し、認知症対策の効果的な推進が期待されるでしょう。
コスモラボについて
コスモラボは、60歳以上のシニア層に特化したマーケティングリサーチサービスを提供しています。今回の調査は全国を対象に行われ、参加者には219名が含まれています。シニア層の理解と関心を反映した調査結果を通じて、企業や組織が適切なサービスや製品を提供できるよう支援しています。