高島屋史料館にて開催される企画展「DESIGN MANIA~百貨店・SCのデザイン~」は、日本の百貨店の歴史とそのデザインの変遷を振り返る素晴らしい機会となっています。この展覧会では、日本の百貨店が歩んできた歴史、特に髙島屋がどのように時代を乗り越え、変化を遂げてきたのかに焦点を当てています。
百貨店の歴史は大正期に遡り、髙島屋は本格的な百貨店としての足掛かりを築きました。戦後の復興や高度経済成長期には、人々の憧れの的となる商品やサービスを提供し、その後も常に最新の流行を発信する文化的な場としての役割を果たしてきました。特に1969年に開店した玉川髙島屋S.C.は、日本初の郊外型ショッピングセンターとしての重要な位置を占めています。
本展は、「広告」「衣服」「生活」「まち」の4つのテーマで構成されており、それぞれが百貨店とショッピングセンターの特性を描写しています。広告デザインセクションでは、髙島屋が如何に独自の広告戦略で時代を彩ってきたかを示す作品が展示され、過去の宣伝物は同社の歴史を物語ります。
衣服のデザイン展示では、呉服店時代から始まり、洋装への移行を経て、今尚最新の流行を追求する髙島屋の歩みが窺えます。一方、生活のデザインエリアでは、室内装飾や家具といった生活様式を提案する取り組みが紹介され、快適で便利な生活を支えるアイデアが展開されています。
さらに、まちのデザインでは、髙島屋が手がけてきたショッピングセンターの発展や「まちづくり」戦略が紹介され、今後の発展を期待させる内容となっています。特に2023年に開業した京都髙島屋S.C.も、新たなビジョンを持って地域に貢献する姿勢が強調されています。
特別展示として、同志社大学の学生たちが描く「髙島屋への未来の提言」のポスターも見逃せません。大学生たちが髙島屋の歴史を背景に、百貨店の未来へのビジョンや提言を視覚化した作品が展示され、その斬新な視点に触れることができます。
会期中には、講演会やギャラリートークなどのイベントも開催され、多くの参加者が百貨店とそれにまつわるデザインの魅力に触れ合うことができるようになっています。これらのイベントは、参加無料ながら事前申込が必要で、非常に貴重な体験となることでしょう。
この企画展は百貨店の歴史を振り返るだけでなく、未来に向けた提案にも溢れており、来場者にとって多くの気づきや感動が得られる場となっています。日本の商業文化の発展を見守る髙島屋の歩みを、ぜひその目で確かめてみてください。