ラグビーを通じた国際協力の新たな一歩
2023年6月17日、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会(JRFU)、一般社団法人ジャパンラグビーリーグワン(JRLO)、そして独立行政法人国際協力機構(JICA)の三者が連携協定を締結しました。この協定は、ラグビーを活用した国際協力の強化とともに、国内外の共生社会実現にも寄与することを目的としています。
ラグビーの世界的な普及は、2019年のラグビーワールドカップの日本招致をきっかけに加速しました。JRFUは2011年から「アジアン・スクラム・プロジェクト」を実施し、アジアにおけるラグビー普及のため、指導者の派遣や活動支援を行っています。JICAとの協定により、途上国への指導者派遣が進み、ラグビーを通じた人材育成が行われています。
さらに、2015年に国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)においても、スポーツが社会課題解決の手段として注目されています。この背景を受け、再度のワールドカップ招致を目指している日本にとって、ラグビーを通じた国際協力の強化が求められています。
三者連携協定の締結により、以下の取り組みが展開されます。
連携内容
1.
JICA海外協力隊に関する取組み
- ラグビー隊員の応募勧奨
- 派遣前の自主学習や訓練サポート
- 派遣中の活動支援
2.
その他の国際協力に関する取組み
- 異文化理解の促進や共生社会実現のためのイベント開催
- 選手や外国出身者の関連イベント参加促進
- 開発途上地域での災害支援や平和構築への協力
- 必要な器材や物品の提供
3.
啓発・広報活動
- 国内外への広報活動や啓発キャンペーンの実施
協定の期待される成果
この協定に基づく取り組みは、2025年から2030年まで継続される予定で、多文化共生の推進や、技術指導のための協力などが行われる見込みです。特に、ラグビーを通じて人々をつなぎ、教育や共生社会の構築へ貢献していくことが重要です。
各団体の代表のコメント
JRFUの岩渕専務理事は、「ラグビーの発展には、地域コミュニティの強化やジェンダー平等への取り組みが重要である」と語り、今回の協定を通じてさらなる国際協力を進める意義を強調しました。
一方、JRLOの東海林専務理事は「『みんなのために FOR ALL』の精神を持って、国際的な活動を推進することが我々の使命」と話し、ラグビーを通じたコミュニティへの貢献に意欲を示しました。
さらにJICAの小林理事は、「ラグビーは教育や社会包摂における価値を育む素晴らしいスポーツであり、今回の協定は平和な社会の実現に寄与するもの」と述べ、各団体が持つ強みを生かした連携の重要性を強調しました。
まとめ
本協定を通じて、ラグビーは国際的な架け橋としての役割を果たすことが期待されています。ラグビーを愛する人々が一緒に健全な社会を育み、共に生きていくための新たな活動が始まります。今後の成功を祈りつつ、この取り組みから得られる成果に期待が高まります。