理系の仕事に触れる夏セミナー
2024年8月9日、大阪府立男女共同参画・青少年センターでは、「理系の仕事に触れる夏~女性研究員と化粧品づくり体験~」というセミナーが開催されました。これは、大阪府府民文化部男女参画・府民協働課が主催し、株式会社桃谷順天館の協力により実現したもので、女子中学生や高校生を対象にしています。
今回のセミナーには、28名の女子生徒が参加し、理系の仕事について学ぶための講演や化粧品を実際に作る体験が行われました。この取り組みは、日本における女性研究者の割合が低いことを受け、理系分野での女性の進出を促す目的があります。
日本における女性研究者の現状
文部科学省の調査によると、日本の大学で理系に進学する女性は約20%に留まっており、先進国と比べると非常に低い水準です。このため、女性の理系進学を促す取り組みが急務とされています。大阪府も「おおさか男女共同参画プラン(2021-2025)」に基づき、理工系への興味を持たせる様々な施策を打ち出しています。
セミナーのプログラム
セミナーは、桃谷順天館の女性研究員による講演からスタートしました。研究者は、理系に進むきっかけや化粧品研究員を志した理由、現在の仕事内容ややりがいについて生徒たちに語りました。具体的な体験談は、参加者にとって非常に刺激的だったようです。
その後、参加者は5つのチームに分かれ、オールインワンジェルクリームの製造に挑戦しました。原料を混ぜる中で粘度が変わる様子を見たり、実際に手を動かしたりすることで、化粧品ができ上がる過程に感動していました。原料を混ぜているときには、歓声があがる場面もあり、楽しい雰囲気で化粧品の製造について学ぶことができました。
参加者の声
セミナーを受けた生徒たちからは、「化粧品づくりを体験し、興味が深まりました」との感想や、「将来について考えるきっかけになった」といった声が寄せられました。その他にも、「研究職の説明が面白かった」や「ニキビに悩む自分が、研究分野に進むのも良い選択肢だと感じた」といったポジティブな意見が多く聞かれました。
未来に向けた取り組み
桃谷順天館では、様々な施策を通じて多様性を重視した働き方を進めており、2024年7月には桃谷政次郎財団を立ち上げ、経済的支援を必要とする学生への奨学金も提供予定です。このように、女性が理系分野で活躍できる環境を整え、未来の可能性を広げることに努めています。
このセミナーは、理系の仕事への理解を深め、女子学生にとって新たな選択肢を与える貴重な機会となりました。今後もこうした取り組みが続くことで、日本の科学技術分野における女性研究者の活躍が期待されます。