八海醸造が誇る成果
2024年10月8日、東京都内で開催された令和6年度日本醸造学会大会にて、八海醸造株式会社の倉橋敦氏が「奨励賞」を受賞しました。この受賞は、倉橋氏が長年にわたり取り組んできた「麹甘酒の研究」に対する高い評価です。
日本醸造学会は昭和62年に設立され、醸造に関する学術研究の向上を目指しています。年に一度行われる大会では、会員がさまざまな研究成果を発表し、優秀な業績をあげた会員に対して奨励賞が授与されます。今年は、倉橋氏の研究が特に注目されました。
麹甘酒の深い世界
八海醸造が製造している「麹だけでつくったあまさけ」は、2009年から続けられている商品です。飲用者から健康効果について問合せが増加しており、倉橋氏はその研究に取り組みました。当時、甘酒に関する研究は日本の発酵分野では非常に少なく、倉橋氏は独自に成分分析や健康機能の解明に挑戦しました。
その結果、麹甘酒には発酵によって350を超える成分が含まれていることが明らかになり、その安全性も示されました。特に、2021年には継続的な飲用が便通改善に寄与することが確認され、麹菌がその働きの要因であると証明されました。また、2022年には肌の水分量維持に寄与することも確認され、麹由来の成分がその効果を発揮していることが分かりました。
受賞の喜びと今後の挑戦
倉橋氏は受賞の際、「古来から日本人が愛飲してきた麹甘酒の健康機能が明らかになり大変光栄です。麹甘酒は単なる伝統飲料から機能性飲料へと進化を遂げています。今後もこの分野の研究を深化させ、美味しさと健康機能を探求し続けたい」と語りました。
八海醸造株式会社は日本の麹甘酒のリーディングカンパニーとして、引き続き安全で安心な製品の提供に努めていきます。倉橋氏の受賞は、同社にとって大変光栄な出来事であり、今後の活躍にも期待が寄せられています。
日本醸造学会奨励賞とは
奨励賞は、日本醸造学会の会員の中で、所定の雑誌に論文を掲載し、かつ満50歳以下である会員に授与されるものです。倉橋氏の受賞は、将来の醸造学における新たな研究や技術開発への期待を高める一歩となります。
八海醸造の今後の動向にも目が離せません。
倉橋敦氏のプロフィール
倉橋敦氏は1979年生まれ。静岡県立大学大学院で食品栄養科学を学び、食品メーカーにてキャリアをスタートしました。その後、学位を取得して2014年に八海醸造に入社。現在は取締役製造部長を務めつつ、大学でも教育に従事しています。八海醸造の今後がますます楽しみです。