LR-ShipdesignのAFT OPT®で新造タンカーのEEDI要件をクリア！

AFT OPT®がもたらす新造タンカーの革新

新規建造の原油タンカーやLNGタンカーにとって、船舶の設計効率を高めることは競争力を維持するために重要です。LR-Shipdesign（以下LRSD）が提供するAFT OPT®は、そんな需要に応えるための革新的な技術であり、船舶のエネルギー効率を飛躍的に向上させる手段と位置付けられています。

LRSDは、AFT OPT®を活用した収益性計算の支援を行い、タンカーのEEDI（エネルギー効率設計指標）の要件を越えるべく取り組んでいます。この取り組みの一環として、船級協会であるABSと連携し、31万DWT型の原油タンカーを対象に最新の設計技術を反映させた試算を行いました。

AFT OPT®の特徴とその効果

最新モデルの31万DWT型原油タンカーでは、AFT OPT®を導入することで、燃料コストとCO2排出量の合計でおよそ100万ドルの削減が可能とされています。この試算はアジア太平洋航路の運航プロファイルを基にしており、IMO（国際海事機関）が示す2025年のEEDI基準を考慮しています。

さらに、LRSDはこの数年間、ABSの助けを借りて顧客プロジェクトを支援しており、現地スタッフにより水槽試験の結果が精査されています。その結果、AFT OPT®は、省エネ装置（ESD）なしで主機出力を6%以上向上させる成果を上げており、このデータが試算に使用されました。

EEDI計算の結果

今回の試算ならびにEEDI計算によって、AFT OPT®が提供する効果が航行プロファイル全体にわたって実証されています。2025年のEEDI条件を想定した計算において、主機出力の6%削減により、設計速力15ノットでEEDIフェーズ2の要件を5.9%上回る結果が示されました。また、設計速力を14.5ノットに減速することで、2030年のEEDIフェーズ3の条件も満たすことができることが判明しました。

経済性と環境性の両立

日本の造船業界がAFT OPT®を取り入れることで、中国や韓国などの競合他国に対する技術的な優位性を確保できます。ディーゼルやメタノールなど、さまざまな燃料タイプに適応できるこの技術は、燃料消費を削減し、それに伴いコストやCO2排出量を抑制します。これにより、運営コストの削減を求める船主のニーズに応えるとともに、海運業界全体の脱炭素化に向けた重要な役割を果たします。