象彦記念作品展
2022-11-09 10:30:03
象彦の創業360周年記念作品展で漆器の新たな挑戦を体感
象彦の創業360周年記念作品展
京都の京漆匠、象彦が創業360周年を迎え、特別な記念作品展が開催されています。この展示会では、十代西村彦兵衛が手がけた新たな作品が紹介され、そのテーマは「復刻と継承」。漆器の伝統を受け継ぎつつ、現代の感覚で再解釈したこれらの作品を通じて、長い歴史を持つ象彦の技術とデザイン哲学に触れることができる貴重な機会です。
十代西村彦兵衛の挑戦
西村彦兵衛は1961年に生まれ、日本国内での伝統技術の継続と革新に力を入れています。漆器制作だけでなく、さまざまな講演を通じてその魅力を広め、海外ブランドとのコラボレーションも数多く手がけています。これにより、グローバルに漆器の良さを伝える活動を展開しています。
作品紹介 - 挑戦
今回の作品展で特に目を引くのが「若冲鶏図蒔絵 硯箱」で、これは江戸時代の画家、伊藤若冲の絵画を基にしたものです。制作協力には細見美術館が名を連ねており、不朽の名作「雪中雄鶏図」を繊細な蒔絵技法で表現しました。若冲の作品が蒔絵として形を持つことは非常に稀であり、この試みに多くの期待が寄せられます。
硯箱の裏面には「虻に双鶏図」が施され、特に銀研切り蒔絵という古い技法を使用して幽玄な雰囲気が醸し出されています。これは象彦が約100年ぶりに取り入れた挑戦であり、作品の細部にまでこだわった表現が施されています。
また、「長寛紹巴ノ紋写 宝石箱」も展示されており、江戸後期の名工佐野長寛の作風を再現したものです。色覚が多様な再構築を経て誕生したこの作品は、伝統的な技術を現代によみがえらせる象彦の情熱を感じられます。
作品紹介 - 復刻
さらに、復刻作品も展示されており、「夕顔 蒔絵宝石箱」は源氏物語にも描かれる美しい夕顔を題材にしています。可憐な下絵を基に、色の濃淡を駆使してリアルな表現を目指しました。これは過去の名作を知られざる技術で復活させる試みともいえます。
「秋草に月 蒔絵宝石箱」は、八代西村彦兵衛の指図を基に蒔絵が施された作品です。このように、象彦の技術は時代を超えて受け継がれ、新たな命を巡らせています。
展覧会の詳細
作品展は2022年11月19日から11月25日まで、象彦京都寺町本店にて開催されています。営業時間は10:30から17:30までで、22日は店休日のためご注意ください。作品展では多彩な蒔絵作品が一堂に会し、訪れる人々を魅了しています。近隣のコインパーキングを利用して、ぜひこの貴重な機会をお見逃しなく!
象彦公式ウェブサイトでも詳細情報が掲載されているので、興味のある方はご覧いただくと良いでしょう。これからの漆器文化の行く先を知るためにも、ぜひ会場で生きた技術を直接感じてみてください。
京漆匠 象彦について
象彦は1661年に創業した漆器専門店で、その歴史は深く、当初は「象牙屋」としてスタートしました。漆器という分野での名手として名を馳せ、現在も日本の漆器文化をリードし続けています。特に、名匠たちの手による高い技術と独自のセンスが、世代を超えて引き継がれているのが象彦の誇りです。
会社情報
- 会社名
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株式会社 象彦
- 住所
- 京都府京都市上京区真倉町739
- 電話番号
-
075-417-0234