獣医療におけるリアルワールドデータ活用でペットと飼い主の健康共生寿命延伸を目指す
シミックホールディングス株式会社、animo株式会社、アニコム ホールディングス株式会社の3社は、ペットと飼い主の健康共生寿命延伸を目指し、以下の協業について基本合意しました。
獣医療界の適切な情報連携およびリアルワールドデータ(以下RWD)活用促進を目的としたシステム連携
上記で構築したプラットフォームを活用した製薬およびフードメーカー等に対する新たなサービスの開発・提供
背景
近年、ペットの飼育数は増加し、平均寿命も延びています。それに伴い、ペットもヒト同様に疾患の多様化、専門性も進んでいます。そのため、
「ヒト医療と獣医療の連携」や
「動物病院間、動物病院-飼い主間の情報連携」が求められています。
ヒト医療では、PHR(Personal Health Record)の利活用やEHR(Electric Health Record)/EMR(Electric Medical Record)との連携に関する議論が活発化しています。しかし、獣医療においては、PHR-EHR/EMR連携は未整備な状況です。言葉を話さないペットを対象とする獣医療では、多様なデータを活用した治療成績の分析や治療方針の判断が重要であり、情報連携の遅れは大きな課題となっています。
今回の3社連携は、シミックグループのヒト医療における医薬品開発のノウハウ、アニコムグループのペット保険事業や動物病院向けのシステム「アニレセクラウド」のノウハウを融合することで、獣医療における情報連携の強化を目指します。
具体的な取り組み
① 獣医療界の情報連携およびRWD活用促進を目的としたシステム連携
animoが開発中の「animo platform(animo owner appおよびanimo for VET)」と、アニコム パフェ株式会社が提供する「アニレセクラウド」等のシステム連携を通じて、animal-PHRとEHR/EMR連携を実現します。
飼い主向けアプリ「aniLife」を基盤に、animoが開発中の「animo owner app」の主要機能(症状や投薬・摂取等のライフログ記録、オンライン診療/相談機能など)を搭載することで、ペットのあらゆるライフステージで利用可能なAll-in-oneのowner appを構築します。
飼い主は、owner appを通じて、アニレセクラウドに蓄積された検査結果や処方情報を閲覧できます。
動物病院側は、animo for VETを通じて、飼い主がowner appに記録した情報を閲覧できます。
これらのプラットフォームの医療データを統合管理することで、RWDを活用した多様な分析をリアルタイムで実施可能なシステムを構築します。
② 新たなサービスの開発・提供
シミックグループの医薬品開発支援実績、アニコムグループのペット領域における情報と治療法開発実績を基に、①で構築したプラットフォームおよび統合データを活用し、動物用医薬品開発メーカーやフードメーカー等に対する以下のサービスの開発・提供を進めます。
エビデンス創出支援サービス(検討中)
疾患動物リクルートメント
特定疾患・属性(動物種、薬剤等)の動物における使用成績調査
特定疾患・属性(動物種、薬剤等)の動物に対するアンケート調査
マーケティング戦略立案・実行支援サービス(検討中)
マーケット分析による製品使用実態や治療成績等の視覚化
マーケティング戦略立案および実行支援
ダイレクトマーケティングサービス(検討中)
特定疾患・属性(動物種、薬剤等)の動物に対する情報配信
今後の展望
今回の協業では、ヒト医療への応用や自然発症モデルによるトランスレーショナルリサーチの実現も視野に入れ、ヒト医療と獣医療の更なる連携を目指します。
One Healthの理念
近年、動物からヒトへ、ヒトから動物へ伝播する感染症(人獣共通感染症)は増加傾向にあります。この問題に対し、ヒト、動物、環境の衛生に関わる専門家が協力するOne Health(ワンヘルス)という考え方が世界的に広まっています。
今回の3社連携は、One Healthの考えを基に、ヒト医療と獣医療の垣根を超えてそれぞれの成功体験を相互に取り入れ、革新的な医療・ヘルスケアサービスを開発していく取り組みです。
3社の概要
シミックグループ:医薬品開発支援、製造、営業・マーケティングまで、医薬品に関する総合的な支援業務を提供しています。
animo:CMICグループがこれまで培ってきた実績をもとに、「ヒト」と「動物」を医療資源を共有し、共に病気に向き合えるパートナーと位置付け、医療・ヘルスケア領域における新たなプロダクト、サービスを創造していきます。
アニコム ホールディングス:ペット保険を中核に、遺伝子検査、共生細菌に関する研究、再生医療など、ペットの各ライフステージに寄り添うサービスを提供しています。
今回の3社連携は、獣医療の進化とペットと飼い主の健康共生寿命延伸に大きく貢献する取り組みとして注目されます。