シコー株式会社、米袋印刷機導入で新たな供給体制を整備
シコー株式会社は今春、香川製造部に新たな印刷機を導入した。これにより、米袋の印刷を効率的に行い、安定した食材供給に寄与することを目指している。2025年5月に稼働を開始した印刷機は、米の包装に特化した最新設備であり、6月から本格運用が始められた。
米袋印刷機導入の背景
米袋は、日本の食文化に不可欠な存在であり、お米を適切に保護し、保存する役割を担っている。昨年、米騒動が発生し、備蓄米の放出など予測困難な需要の変動があったため、シコーでは精米袋の安定供給を強化する必要があると判断した。特に新米シーズンに向けて、例年8月から翌年2月が繁忙期であったが、受注の増加により生産体制が逼迫。これに対処するため、同社は新たな印刷機の導入を決定した。
特に昨年の受注により、印刷工程が他業務と重なり、通常の生産能力を超える状況に直面した。シコーは、他の工場との連携を強化し、勤怠シフトを調整することで対応したものの、お客様の期待する納期には全てお応えすることができなかった。
「お米は食卓に欠かせないものであり、生産者の思いも大切にしたい」と代表取締役社長の白石忠臣氏は語る。新たな印刷機の導入により、今後は安定した供給体制を確立することで、食卓の安定にも貢献していく意思を示している。
印刷機導入による効果
白石社長は、法人向けの産業用途が主な同社ながら、この印刷機は一般消費者向けの数少ないプロダクトであると強調する。具体的には、精米袋は「印刷」、「製袋」、「バンド貼り」という三つの工程で完成されており、昨年春に導入されたバンド貼り機との連携で生産性のアップと平準化を実現する。
新しい印刷機によって、精米袋の印刷が迅速に行えるようになったため、今後はさらに多様なデザインや仕様に応じた製品を提供できる見込みだ。例えば、特別なデザインを施した窓型の米袋や、再封緘ができる構造を持つ袋など、消費者のニーズに応じた製品の開発が可能になる。
さらなる挑戦に向けて
シコー株式会社は「包装で創るストレスフリーな世界」をビジョンに掲げ、利便性の高い包装製品を提供する方針を貫いている。新しい設備による生産体制の整備は、そのビジョンを実現するための重要な一歩である。
このような取り組みが進むことで、消費者は安心して購入できる米袋を手にできるようになり、食卓の質も向上するだろう。「包むことで日本の食卓を支えたい」というシコーの強い信念のもと、今後も積極的な改善と革新を続けていくことに期待が寄せられている。
今後ますます充実していくであろうシコーの精米袋は、私たちの食生活を豊かにしてくれること間違いなしだ。まさに、食文化を支える企業としての使命が果たされることを願っている。