雇用と組織の未来を探る『月刊先端教育』2025年4月号の特集内容

2025年4月号の『月刊先端教育』が、3月1日に刊行される。この特別号では、現代の雇用システムや組織のあり方について、さまざまな観点から考察した特集が展開される。

特集1: 流動化する雇用と成長する組織

現在、雇用環境は劇的に変化している。経済産業省が提唱する「人材版伊藤レポート」によれば、これまでの囲い込み型から、企業が求められるのは「選び、選ばれる関係」にシフトしており、組織と個人の関係性が新たなものに変わりつつある。この背景には、人的資本経営を実現するため、組織が多様な人材を効果的に獲得し、育成する必要があることが挙げられる。

雇用の流動化が進む中、企業には従事者が快適に働ける環境を整えることが求められている。名古屋大学の鈴木智之准教授は、「働く人の心理が交渉材料として重要視され、社員の定着がますます課題になっている」と強調する。個々のニーズを理解し、その心理的安全性を確保することで初めて、従業員のエンゲージメントが高まるのだ。

同特集では、企業のリーダーにとっての人材育成の重要性や、職場内でのスキル向上を図ることの意義について深く掘り下げている。実務者が求める実効性ある支援がどう実現されるか、具体例として産業能率大学の佐藤雄一郎氏の提言も紹介されている。彼は、組織内で育まれる能力が最大限に発揮される環境整備が重要だとし、双方にとって有益な関係を築く必要性を訴えています。

賃上げと幸せな労働移動の必要性

公益財団法人連合総合生活開発研究所の中村天江氏は、賃上げが伴う労働移動が雇用流動化のカギであると指摘する。一方で、日本の労働市場は敗者復活型にシフトすべきだとの意見も出ており、企業が新しい人材を迎え入れるだけではなく、既存社員の成長を促す意義が強調されています。こうした視点からの議論が本特集の見どころの一つだ。

特集2: 探究学習のデザインと実践

次に注目するのは、学校における探究的な学びの進展です。教師や教育者が「探究学習のデザインと実践」を支えるために外部リソースをどう活用するかについて考察しています。日立財団の内藤理事長も独自のプログラムを通じて、未来をどう創るかに注力しています。

彼らは「主体的な取り組みを阻害する要因をどうしらるか」に対しても言及し、教材開発の負担軽減に向けた技術的支援のシステム化も必要としています。さまざまな組織の取り組みを通じて、持続可能な学校組織がどう形成されうるか、具体的な成功事例や失敗事例が紹介される。

地域教育イノベーション:三重県

特集の中で、三重県の教育行政にスポットを当て、その挑戦を紹介します。地域共創による教育と民間コラボレーションによるコミュニティの構築が進められています。福永教育長は自己肯定感を育む教育の重要性について力説し、地域に深く根差した教育の必要性を訴えます。

三重大学では、地域社会に貢献するための教育研究が進められ、学生起業家の挑戦や、外国人材の活躍を促す取り組みが進行中です。