2024年度版デジタルメンタルヘルスサービスの最新動向を発表

メンタルヘルス市場の新たな潮流

日本国内では、メンタルヘルス市場が急速に進化しています。特に法人向けのデジタルメンタルヘルスサービスは、これまで以上に多様化しており、企業が抱えるメンタルヘルス課題に柔軟に対応しようとしています。今回、日本デジタルメンタルヘルス連合会が公開した「デジタルメンタルヘルス（法人向けサービス）カオスマップ2024年度版」は、その現状を的確に反映しています。

サービスの多様化

このカオスマップによると、従来の単一機能型のサービスに加え、複数の機能を統合した複合プラットフォームが増加しています。たとえば、カウンセリング、ストレスチェック、セルフケアアプリなどがワンストップで提供されることで、企業のニーズに応じたカスタマイズが可能になります。このような動向は、メンタルヘルスへの関心が高まる中で、より包括的なアプローチが求められていることを示しています。

また、労働環境が変わる中で多様化するメンタルヘルス課題に対する意識も高まっており、多くの企業が心の健康を重視するようになってきています。これにより、経済産業省も「職域における心の健康」を積極的に推進し、さまざまな施策を展開しています。たとえば、先端技術を用いたメンタルヘルスサービス開発のための補助金制度や、心の健康関連サービス選択支援ツールの整備などがあります。

行政のサポート

このような施策は、法人向けデジタルメンタルヘルスサービス市場をさらに活性化する材料になると期待されます。特に、メンタルヘルスに関するエビデンスに基づくアプローチの重要性が高まっており、企業もより効果的なサービスを選択するための判断が求められています。

エビデンスに基づく推奨

国立研究開発法人日本医療研究開発機構（AMED）が推進する「デジタルヘルス・テクノロジ予防介入指針（DeLiGHT）」では、特定のアプリやプログラムについて、エビデンスに基づいて推奨されることが示されました。たとえば、認知行動療法を活用したアプリやマインドフルネスの技術を取り入れたプログラムがその一例です。こうした推奨は、今後職域におけるメンタルヘルス対策において重要な指針となっていくでしょう。

デジタル技術を駆使した取り組み

このような状況の中で、emol株式会社や株式会社Awarefy、オンラインカウンセリング「cotree」といった企業が中心となって各種サービスを展開しています。emol株式会社は、認知行動療法を基にしたアプリを提供することにより、メンタルヘルスのアクセシビリティを向上させることを目指しています。

また、株式会社AwarefyはAI技術を駆使し、心理学的な理論に基づいたメンタルパートナーアプリを開発しています。これにより、多くの人が自らのメンタルヘルスと向き合える環境を整えています。

オンラインカウンセリングサービスを提供する「cotree」は、メンタルヘルスのインフラを構築するために、やさしさでつながる社会の実現を目指しています。2014年の設立以来、クライアントの負担を軽減し、必要なサポートを提供するために尽力しています。

今後も、デジタル技術を活用したメンタルヘルスサービスの充実が期待される中で、法人向けのニーズに応じた提供方法が進化していくことでしょう。メンタルヘルスの重要性が増す今、企業も積極的に取り組みを進めることが求められています。