葉真中顕『灼熱』
2025-02-28 11:26:40

移民の友情と分断、葉真中顕の『灼熱』文庫版発刊

書籍リリース:葉真中顕『灼熱』文庫版



このたび、葉真中顕の最新作『灼熱』が文庫版として2024年2月28日に発売されます。この作品は、友情や分断、そして闘いを描いた圧巻の群像劇で、読者を惹きつける内容が詰まっています。

物語の背景


物語は、海を渡って日本からブラジルに移民してきた比嘉勇と、現地で育った移民二世の南雲トキオを中心に展開されます。彼らは、ブラジルの入植地・弥栄村で出会い、同い年の親友となります。日本への帰国を望む彼らですが、連合国に属するブラジルから離れることができず、時代の波に翻弄されることになります。

戦争とフェイクニュース


物語のクライマックスは、第二次世界大戦の終戦です。祖国の勝利を信じる「勝ち組」とその敗北を知る「負け組」との対立が生まれ、移民の間でも危機が迫ります。この抗争は、彼らの友情を引き裂くものであり、分断や憎しみが巻き起こる様子が生々しく描写されています。日本人移民が同胞に対して銃口を向けるという衝撃的な光景は、異国における人間関係の難しさを浮き彫りにしています。

著者の取材


著者の葉真中顕は、この物語を作り上げるために、実際に行われた勝ち負け抗争に関する大量の資料を読み解き、ブラジルへの取材を行ったことでも知られています。彼の広範なリサーチと情熱が、『灼熱』という作品の深みを生み出しています。

歴史とのつながり


舞台は遥かブラジルですが、移民たちが形成した「殖民地」は、同胞のための「小日本」とも言えるものでした。この作品に登場する勝ち負け抗争は、単なる歴史の影ではなく、日本近代史の一部として、我々の理解を深める要素となっています。23人の死者と多数の負傷者を出したこの悲劇は、戦争の恐ろしさを改めて思い起こさせます。

受賞歴と評価


『灼熱』は、読書界から絶賛を受け、著者の葉真中顕は渡辺淳一文学賞を受賞しました。彼の他の著書としては、『ロスト・ケア』や『凍てつく太陽』などがあり、それらも高く評価されています。

読者の皆さん、この感動的で衝撃的な物語をぜひ手に取ってみてください。分断がもたらす悲劇を乗り越え、友情の深さを再確認する旅が待っています。詳細については、新潮社の公式サイトをご覧ください。


画像1

会社情報

会社名
株式会社新潮社
住所
東京都新宿区矢来町71
電話番号
03-3266-5220

関連リンク

サードペディア百科事典: 葉真中顕 灼熱 ブラジル移民

Wiki3: 葉真中顕 灼熱 ブラジル移民

トピックス(エンタメ)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。